4日で結婚した話 (ページ27)

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きょもがあんずちゃんを抱っこしながら

2人で街中を歩く。

深夜だからすれ違う人もいない。

街灯が連なる明るい道をただ2人で歩いていた。

「明日、事務所に報告するから」

『反対…されますよね…』

「だと思うけど、まだどうなるか…」

6人でいるとちょっと小さく見える彼が

隣に並ぶと思いのほか大きくて

可愛いって思ってたのに体つきは男らしくて
なんか妙にドキドキした。

「なに？」

『京本さんってもうちょっと小さいかと思ってた』

「他がでかいからね」

『あと、意外と男らしい』

「アハハっ！褒められちゃって(笑)」

『テレビの中の人だったのにな』

「隣歩いちゃってるけど」

『人生わかんないもんだな〜』

「ふっ」

そうだねって笑い合いながら

空を見上げる。

今日は新月で月が見えない。

まだ、パートナーになりきれていない

私たちにはぴったりな空だった。

「じゃーまた」

『はい。ありがとうございました。』

じゃ！って帰っていく彼の後ろ姿が

見えなくなるまで見送った。

現実と夢の狭間

よくわからない複雑な気持ち。

結婚しようと決めたあの日から

不安は募るばかり。

きょもパパの"覚悟はある？"って言葉にこたえることができなかった私はまだまだ決心が足りないのかもしれない。

私の不安はあなたに見えないところで照らされていた。

今日の月のように。

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