楽しむ�� ページ8
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珍しく食堂で寝ていたAさん。
翔平さんは近づくや否や、肩をゆすって起こしだした。俺を含めて、周りにいた人は「この人まじか」と苦笑い。
「一平さん、糖分入った温かい飲み物買ってきて！Aちゃん大丈夫？」
悪戯を仕掛けているものだとばかり思っていたら、どうやら違うらしい。一平さんに指示をとばして、Aさんに声をかけていた。
よく見れば肩で息をしていて、翔平さんに握られた手は震えているようにも見えた。
「翔平さん、これ…」
「おー、ありがとう」
手に持っていた上着を渡せば、Aさんはすっぽりと隠れてしまった。思っていたよりもずっと華奢な線に驚いた。
「翔平、ココアしかなかった」
「ありがとー。飲める？とりあえず血糖値あげとこ」
．
「ごめん…」
「お。生き返った？」
「だいぶ…」
「久しぶりだったの？」
「うん。びっくりした…あれ、この上着…」
「むねのだよ、貸してくれた」
「むねくんの？ごめんね。ありがとう…」
「全然気にしないでください。体調、大丈夫っすか？」
「変なところみせてごめんね。」
「寝起きドッキリしようとしたらこっちがびっくりしたわ」
「ほんと、ごめん…」
「ちゃんと食べて休むんだよー」
「うん、ありがとう。」
．
「Aさん、どっか悪いんですか？」
ふらつきながらも自分の足で戻るAさんの後ろ姿を眺めて翔平さんに問う。
「ん−俺も詳しくは聞いてないんだけどね。病気とかじゃないとは言ってた。色々重なると、金縛りになるみたい。睡眠障害ってジャンルなのかな。」
「金縛り…」
「俺もなったことないからわかんないんだけど、呼吸もしんどそうになるから見てらんなくてさ。どういう対処法が正しいのかもわかんないんだけどね」
「かわいそっすね」
「なかなかね。しばらくなってなかったていうから、そこは安心だけど。さーて、準備しますか」
「…」
「大丈夫だって。自信もっていこうよ」
「…うっす」
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作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
