決起集会の夜�� ページ6
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「Aさん、焼肉行かないんですか」
「焼肉？」
「決起集会っすよ」
「私はいいかな、やることあるし」
「一平さんも来ますよ」
「一平さんはね、もう半分選手だからね。お土産よろしく」
「生肉？」
「センス疑うわ…行ってらっしゃい」
「へへっ、行ってきまーす」
．
ｺﾝｺﾝ
「どうぞー」
「相変わらず開けっぱなしなんだね」
「あれ？焼肉行ったんじゃなかったの？」
「もうみんな帰ってきてるよ」
「あら、そんなに時間経ってたのか…」
「仕事に精が出ますねぇ」
「文句言いに来たんですかー？」
「まさか。差し入れ。」
「えぇー、嬉しいありがとう。」
「どうせ夜ご飯食べてないんでしょ」
「言い方に棘があるー、やだ怖いー」
「ちゃんと休みながらやらないと、倒れるよ。」
「それなりに休んでるんだよー」
トレーナールームは開放時間が決まっている。治療やメンテをしたい選手はその時間内に部屋に行くのが決まり。
身体の調子はそんなに悪くないけど話をしたい、球団に故障を疑われたくない、なんて選手もいるだろうという考えで、昔からドアを開放している私の部屋。
最初は"危機管理しなさい！"とか怒られたけど、意外といい機能を持っていることがわかってから(かつ安全)、何も言われなくなった。
遠征先ではそれが習慣になっていて、今日も開放していたら入ってきたのは翔平くん。まさかの手土産つき。
「あ！このシュークリーム食べていい？クリーム系が食べたい気分だったの」
「どうぞ。ていうかそれ、全部Aちゃんのだよ？」
「んふふー、幸せー。いただきまーす。」
「…聞いたよ。大変だったね、色々と。」
「なにがー？」
「お母さんのこと」
「…ふふ、みんな口軽いなぁ。え、これめっちゃ美味しい。食べる？」
「いらねぇよ」
「甘いの好きなくせにー」
「我慢してんの。俺の前で甘いの食べるのAちゃんくらいだよ。」
「お褒めにあずかり光栄です？」
「褒めてねぇよ…それにしても、この仕事続けててくれてよかった」
どうやら今日は話したい気分らしい。
「…温かいお茶でも淹れようか？ノンカフェインのあるよ」
「じゃあお願いしようかな」
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作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
