回復 ページ26
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「全、快！」
"熱が下がるまでゆっくり休むこと！"
"たまには休め！"
"Aも人なんだな！お大事に！"
トレーナーの皆さんから届いたメッセージ。
変なのもあった気がするけど、お言葉に甘えて休ませてもらったら、すっかり元気になった。
「…え、壊れた？」
明日から復帰する旨の連絡を入れようと画面を触るも、うんともすんとも。
どうやらバッテリー切れのようだ。
充電ケーブルに繋いで、大惨事手前の部屋を掃除することにした。
「一人暮らしで遠征明けに体調崩すとこうなるんだなぁ。」
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シャワーも済ませて、あとは掃除機がかけられる時間になるのを待つだけ。
と言うのも実はまだ朝早い時間。9時前って音出したらダメな感じするのは私だけ？
携帯のランプの色が変わっていたので、電源を入れてみたら凄まじい量の通知が画面を埋めつくした。
「もう一回電源落とそうかな…」
どこから見ればいいのこれ。とりあえず公式アカウントのメッセージを既読に…
-ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
「はーい。…えっ？！」
．
「Aちゃん！心配したんだよ！」
「ちょ、亮ちゃん声でかい！まだ朝！とりあえず入って」
「お邪魔します！」
「だから！」
．
「ごめん、まだ掃除途中であまり綺麗じゃないんだけど…あと水くらいしか出せるものがない」
「全然綺麗やん！いいよいいよ、これ差し入れね」
「ありがとうね、わざわざ。」
「みんなめっちゃ心配してたよ。連絡もつかないって。もう熱はないの？」
「さっきまで携帯電源落ちてたんだよね、あはは。おかげさまで全快です。」
「ていうかなんで髪濡れてるん。ちゃんと乾かさないと！」
「シャワーして髪乾かす前にあなたが来たんだよ…これから練習でしょ？」
「そう！球場行く前に寄ってみた。」
「気遣わせてごめんよー。本当ありがとう。」
「なんかあったら連絡してね。同郷みたいなもんだし。」
今季からチームに合流した亮ちゃんこと石川亮。
わたしもWBCの合宿で抜けなきゃいけなかったから、少し心配してたんだけど、持ち前のコミュニケーション能力を発揮したようで。
帰ってきた頃には、昔からいた選手のような存在になっていた。
「うん、ありがとう。練習頑張ってね。」
「じゃあ行ってくる！」
「行ってらっしゃい」
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作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
