不本意です (ページ25)

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受難⑤ ページ25

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引き続き体は怠かったものの、特に悪化している様子はなく。
心の中で福也さんを恨もうとしたことを懺悔しながら遠征を乗り切り、大阪に戻ってきた。

が。

「これはだめだ…」

帰宅した翌日。緊張の糸が切れたかのように、高熱が出た。

喉と頭がとてつもなく痛い。おまけに月のものが来てしまい、お腹も痛い。過去一の貧血です。四重苦、五重苦か？

"ねえ、大丈夫なの？心配してるんだけど"

ZOZOマリンビール被り事件(仮)から連絡を返していないせいで、メッセージの数が大変なことになっている。

正しくは返せなかったんだけれども。

そろそろ返さないとまずいか。そもそもなんで知ってるんだ？

『大丈夫ー。寝落ちばっかりで返すの遅れた。ごめんね。』

ｼｭﾎﾟｯ
"体調は？"

早くない？向こう何時だっけ？

『へいきd(￣￣)』

嘘と本当を半々にしてメッセージを返す。画面の明るさがしんどくて、返信を待たずに電源を落とした。

「とりあえず、薬…」

未知の感染症の世界的な大流行を受けてから、体調不良に関する制約が多くなっている今。

とりあえず球団に連絡して、病院にいかなければならない。

最低限のものを持って、最寄りの医療機関へ向かう。

熱出ただけで病院行かないといけないなんて…と悲しくなりながら、万が一に備えて行動記録をつけるためにこの数日間を思い起こす作業に取り掛かる。

「だめだ、頭回らん…」

．

「うん。風邪ですね。検査も陰性だったから安心してください。お薬出しておくので、食べて寝てしっかり休んでください。」

「よかった…」

イントネーションが独特すぎる先生に陰性を言い渡されて一安心。

各所に連絡を入れてから帰宅。

帰ったらゆっくり返信しようと思っていたが、いざ布団に入れば死んだように眠ってしまった。