受難�� ページ24
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"まだ起きてる？"
『起きてますよー』
残念ながら負けてしまったこの日。シャワーも済ませ、あとは寝るだけというタイミングで福也さんから連絡が来た。
すぐに既読がついたものの返信はなし。かれこれ10分。
「え、なんの確認だったの？」
寝ていいだろうか、と携帯を放ったタイミングでドアがノックされた。
「はーい」
「うお、確認してから開けなよ」
「このタイミングで来るの福也さんしかいないですよ」
「…試合中より顔色良さそうだね。これ。」
渡された袋の中身は、滋養強壮の類のドリンクや薬たち。
「どうしたんですか、これ」
「くしゃみしてたから。風邪ひかないようにと思って。」
「わざわざ買いに行ってくれたんですか…？」
「さっきまでランニングで外にいたから、わざわざではないよ。気にしないで。」
言われてみれば額には汗が光っている。
「今日投げたんですから、ゆっくりリカバリーしてくださいよ…」
「ははっ。自分の心配しなよ、こんな時くらい。」
「明日はひどい雨みたいだよ。ゆっくり休めるといいね。おやすみ」
と言い残し爽やかに去っていった。
「福也さんも寝れてるといいな…」
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「けほっ」
風邪じゃないよ、むせただけ。寝起きってさ、声出にくいでしょ？そういうこと。あとホテルってだいたい乾燥してるでしょ？そういうこと。
これフラグ立てた福也さんのせいじゃない？恨んでよくない？いいよね？って思うくらいには、見事に朝起きられませんでした…不覚。
熱はない。体が少し怠い。少しだけ。
今日明日が終われば大阪に戻れるし、遠征先でダウンなんてことは絶対に避けなければいけない。
「降りそう…」
「ですねぇ」
球場についてすぐは晴れ間も見えていたが、試合開始時間が近づくにつれて空が真っ黒に。
いよいよ降ってきてしまい、様子見ということでベンチで待機することに。
「「茶野！茶野！茶野！茶野！」」
「…なんの声ですか？」
「宗と石川が茶野にヘッスラさせようとしてる」
「まだ中止って決まってないのに…」
結局、試合は中止になった。茶野くんは必死に抵抗した甲斐あって、濡れずに帰ってこれたようだ。
「へっくしょい！！」
「変なくしゃみやなぁ。大丈夫かぁ？」
「辻さんいつももっと変なくしゃみしてますよっ、いてててて」
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作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
