とある日の練習風景 ページ18
．
「Aちゃん、お帰りなさい。お疲れ様でした。」
「ただいまです。ありがとうございます。」
「どうでしたか、WBCは。」
「すごくいい経験になりました。チームの皆さんに感謝です。」
「いよいよシーズンが始まりますね」
「ですね。みんなにとって、いいシーズンになるように。精一杯サポートさせていただきます。」
「よろしくお願いします。」
仁藤さんへの警戒心マックスで挑んだ全体練習。意外とあっさり終わって拍子抜け。
いよいよペナントをかけた長い戦いが始まる。リーグ3連覇、日本一連覇を目指す今季。
みんなが悔いなく、笑顔で駆け抜けられますように。
「よしっ」
「A〜」
「はーい！」
．
「大谷さんのWBCでありそうでなかった思い出…」
「ぶっふふふ」
「あんなベラベラ出てくるのに、どうしたらいい」
「つまんねー男だな」
「これは？」
「いいよ、ダメだったら使われないから」
「大谷さんは……カットでお願いします」
「カットですか？」
「これだけはカットです」
「あー、じゃああれは？」
「なに？…あー、大丈夫っしょ。ははっ」
「Aさんがホテルで風呂掃除してました」
「あれはめっちゃ笑った」
「マジでウケた」
「軽く散歩でも行こーって話してて。Aさんも声かけてみるかーってなったんですよ」
「LINE返ってこなかったから寝たのかなって思って、部屋行ったら風呂掃除してたっす」
「落ち着かないっていってました」
「あれ掃除道具どこから持ってきたんやろ」
「たしかに」
．
「Aちゃん、マイアミでお風呂掃除したの？」
「…なんで知ってるんですか」
「うだから聞いた」
「まあ、はい。しましたね。」
「お部屋の？」
「はい。時差ボケで眠気こないし、なんか色々落ち着かなくて。とりあえず体動かそうと思って掃除しました。」
「ちゃんと寝れた？」
「寝ました。散歩行って、なんやかんやしてたら眠くなって。…お風呂掃除はしなくても寝れたかもしれないですね。」
「遠征先で結構色んなことしてるよね」
「そうですか？まあじっとしてられないんでしょうがないですね…」
「あ、そうだ。これからBsTV沢山出てもらうので、よろしくね」
「え？あ、これも？」
「うん。すごい嫌そうだね」
「気づいてくれました？」
「うん。でもチームのためにお願いね。」
「大人ってずるい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 786人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
