合宿�� ページ2
．
「…」
「ふっ」
「人の顔見て笑うなんて失礼じゃないかい」
「いやー、相変わらずやなーって思って。」
なぜ雪がないのにこんなに寒いんだ、と憤慨していたらバカにされる始末。それにしても人の顔を見て笑うなんて失礼すぎる。チームは彼を甘やかしすぎだと思う。
「雪国出身だからって寒さに強いわけじゃありません。偏見よくない、謝って。」
「この時期のAさん、ほんまおもろいわ。毎年九州来てるんだから分かるでしょ。」
「分かってても寒いものは寒いでしょ。なんで毎年意地悪言うかなぁ」
「由伸さん、またいじめてるんすか」
「いじめられてるんだよ、宮城くん。助けてくれていいよ。」
「いじめてへんわ」
「ぼく今ろーたんで忙しいんで」
「薄情者」
「うっす」
「Aさん、キャッチボール付き合ってくださいよ」
「高橋君は？」
「Aさん早く」
「どんどん私の扱い雑になってない？…遠く行かないでよー」
．
「Aちゃん、めっちゃ肩よくなってるね。」
「おーダルさんじゃないですかー、よくなってないですよー。ただのいじめですよ」
「でも投げれてるよ。すごいすごい」
「あんまり褒めてもなにも…」
「Aさん！！！」
「うわ！」
「おお、ナイスキャッチ」
「ごめーん！」
ちゃんと見ていたつもりだったのだが、気づいたらすぐそこまで来ていたボール。なんとかキャッチして由伸くんを見やれば、満足したのかこちらに向かってきていたので返球せずに、ダルさんと談笑を続けることにした。
「後半届いてなかったすよー」
「後半どころの話じゃないでしょ。そもそも届くわけなかろう」
「由伸くん、いつもAちゃんとキャッチボールしてるん？」
「たまにっすね。Aさんあんまり構ってくれないんで」
「選手同士でやってほしいのよこちらは。アップも兼ねてるんだから」
「付き合ってくれてもええやないですか」
「わたし遠投できないもん」
「Aー！」
「はーい！今行きますー！じゃあ私はここで。お疲れ様です。」
「いってらっしゃい」
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作者名：はぬ | 作成日時：2023年11月12日 19時
