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まふまふside
僕がこの事件に巻き込まれたのは、食料調達……といえば少しかっこいいが、要するに食べ物を買いに行くため、外に出た時のことだった。
僕は普段、暗くなってから外に出る。
暗がりの中、黒い服を着ていてマスクをしている高身長の男、だなんて不審者もいいところだろうが、身バレを防ぐためだ。
しかし、コンビニではとても、食料を揃えることなんてできない。いろはとぽてとのご飯も買わなければならないだろう。
なるべく外出する時間は少なくしたいのだが、幸い、その日は人通りが少なかった。
これならスーパーマーケットに行っても大丈夫かな、そう思った直後だった。
耳をつんざくような悲鳴。男の人の声だろう、少し低めの声だ。
しかし、しばらくしてから辺りは異常なほどの静けさに包まれる。
さっき、悲鳴を上げていた人はどうなったのだろう。
ぷつりと途切れた声が、最悪の事態を連想させた。
そのとき周りには誰もいなくて、その場には僕しかいなかった。
慌てて声のした路地裏に向かうと、そこには血だまり。
その上に倒れている男の人に、刃物を持っている男の人。そして、うずくまって目を抑えている少女だった。
思考がフリーズする、というのはこんなことを言うのだろう。
どうも目の前で起きていることに対する現実味がなくて、ぼうっとしてしまう。
しかし、少女の目から滴り落ちる赤い液体を見て、慌てて救急車と警察を呼んだ。
ここまでがここの顛末だ。
「……もう、僕に出来ること、はないよなぁ」
ニュース番組を見ていると、その事件の内容が報道された。
≪
犯人は捕まったんだっけ。
確かすぐに警察が来て、現行犯逮捕された気がする。
≪…負傷した中学二年生の女の子は失明したとのことです≫
無機質に流れるアナウンスに、弾かれたように立ち上がる。
あの子だ、目を抑えていたあの子。
刃物で目を斬られて、失明してしまったのだろうか。
自分の目を両手で塞いでみる。
この状態で動く、そんなことができるのだろうか。
僕にしては軽率だったかもしれない。
中学二年生の女の子、だなんて僕のリスナーさんである可能性もあるのだから。
その可能性は確かに頭の中にあったが、不思議な感情がそれを上回って、気がつけば、その女の子が入院しているという病院に向かっていた。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年12月8日 19時) (
レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - おパンツドラゴンさん» ありがとうございます！ 小説家を目指しているのでそう言っていただけるのはとても嬉しいです！ 応援ありがとうございました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)
おパンツドラゴン - 千々さん» もう小説家になってもいいぐらいお話作るの上手ですよ!今回もとても良かったです! (2020年7月5日 20時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - haru☆さん» 感動ものになってたかめちゃ不安だったけど、そう言ってもらえて嬉しい！ 曲は組み込みたくなっちゃうんだよねぇ〜これもリスナーの性() (2020年7月5日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 杠葉＃さん» 完結ようやくしたよ〜！ なんか尺が毎回延びまくって完結できるか不安になるの(笑) 素敵なのは透椛ちゃんかな！！！ (2020年7月5日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千々 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時：2020年6月16日 17時
