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全て話し終えると、そらるさんは考え込んでしまう。

まあそれは仕方がない。実際僕も、この件に関しては混乱しまくっているし。



「……それ、なんか矛盾してない?」

「え?」



長い沈黙のあとに、そらるさんが口にしたその言葉。

理解できなくて、数秒考えこむ。

どこか矛盾点があっただろうか。会話を反芻しても、特におかしな点は見つからない。強いて言えば、『なにも見たくないんだから、なにも見えなくなったっていい』というのが気にかかるだけで―――…。



「あっ」

「気づいた?」



ふっと頭の中の思考回路が繋がる。

そうだ、なんでこんなことに気がつかなかったんだろう。Aさんの言葉が噛み合わないことに。



「失明してしまったのは遭遇した事件のせい。つまり偶然、そのはずなのに……」

「なんでそんなに落ちついていられるのか。……それは、もともとその予定だったから」

「だいたい、怪我をした場所が目だけ。そんなのありえない」



そらるさんと交互に口に出していく。

今まで辻褄が合わなかったこと。それがどんどん繋がっていく様子に快感を覚えた。



「「Aさんは、最初から失明しようとしていた」」



二人で声を合わせて結論を出し、顔を見合わせる。

……まあ、なんでそんなことを考えたのかはわからないけれど。



「僕、ちょっと今の仮説の裏付けとってきます!」

「ん、頑張れー」



必要最低限の物資を手に取り、目指す場所は刑務所。

……あの事件のせいでAさんは失明した。それが最初から仕組まれていたものだとしたら。

裏付けを取るためには、犯人に訊いてみるのが一番だろう。

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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年12月8日 19時) (レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - おパンツドラゴンさん» ありがとうございます! 小説家を目指しているのでそう言っていただけるのはとても嬉しいです! 応援ありがとうございました! (2020年7月6日 18時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)
おパンツドラゴン - 千々さん» もう小説家になってもいいぐらいお話作るの上手ですよ!今回もとても良かったです! (2020年7月5日 20時) (レス) id: 981305fe40 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - haru☆さん» 感動ものになってたかめちゃ不安だったけど、そう言ってもらえて嬉しい! 曲は組み込みたくなっちゃうんだよねぇ〜これもリスナーの性() (2020年7月5日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 杠葉#さん» 完結ようやくしたよ〜! なんか尺が毎回延びまくって完結できるか不安になるの(笑) 素敵なのは透椛ちゃんかな!!! (2020年7月5日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/  
作成日時:2020年6月16日 17時

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