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Aside



「おお……」



思わず漏れた、感嘆のため息。

紺のシャツに、クリーム色のお洒落な上着。黒い無地のズボンなのに、どことなく可愛らしさを感じさせる。

センス、良くないですか? と独り言のように呟くとそらるさんから返事が。

そらるさん曰く、女子の洋服が全く分からなかったので、店員さんのオススメを買ったとのこと。

……なんか、お金使わせちゃってすみません……。



「それじゃあ行きましょうか」

「……あ」



まふまふさんに声をかけられ、とあることに気付く。



「昨日からまふまふさん、敬語ですよね? 年上なんだから、敬語じゃなくてもいいのに…って」

「え!?」



あれ、そんなに驚かれるようなことを言っただろうか?

年上の人は敬語を使わなくてもいいって思うのは私だけ?

まふまふさんは百面相をしてなにやら考え込んでいる。



「あの、あくまで私の意見なので、別に無理には……」

「大丈夫です。頑張りま…頑張る!」



タメ口って頑張るものではないと思う。



「じゃあ行こう。外に、タクシー用意してあるから」

「タクシー!?」

「タクシーは俺が用意しましたー」



そらるさんには本当にもう感謝しかない。

たかがいちリスナーのためにここまでやってくれるなんて…。



「ありがとうございます…!」



見つからないように、まふまふさんの後ろに隠れて外に出る。

そこにあったのはタクシー。

わぁ、タクシーに初めて乗るかも…。



「あれ、そらるさんは乗らないんですか?」

「俺は病院に残って、いろいろ説明するから」

「本当もうありがとうございます……」



いろいろ説明するって、お医者さんや看護師さん、母さんへの対応をしてくれるってことだよね。

本当、優しい人すぎる…。



「じゃあ行こっか!」

「はい。………そういえば、目的地って決まっているんですか?」



好きなことをしたい。

そう簡単に言ったが、私はあまりに世間知らずだ。

なにが外でできるのか、できないのかなんてわからない。



「まずは駅の近くの商店街に行ってみるつもり。そしたら、選択肢がたくさんあるから、やりたいこともきっとできると思うんだよね」



私たちはタクシーに乗り込んだ。

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千々(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます! (2022年12月5日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです! (2022年11月4日 20時) (レス) @page22 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 藍猫さん» おお!おめでとうございます!!(一年ほったらかしにしてて本当にごめんなさい……) (2022年9月4日 11時) (レス) id: 84f8a35d43 (このIDを非表示/違反報告)
藍猫 - スウッッーーーーー…そういえば10月18日って私の次の日じゃないですか…えまって嬉しい( 〃▽〃) (2021年7月17日 2時) (レス) id: 0f30a0c194 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 飢えているから書けたんですw そう言っていただけるなんて嬉しいです……! 自信につながります1 (2020年6月18日 21時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/  
作成日時:2020年4月30日 15時

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