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まふまふside



僕が過労で倒れたのは二日前のことだった。

実際、働きすぎている自覚はあったのだが、リスナーさんが見てくれる、待っていてくれる、そう思うと自然と仕事に拍車がかかる。

その結果が、都立の大きな病院に入院することに。



「そらるさん、久しぶりに本気で怒っていたなぁ…」



体調管理をしっかりしろ、と怒られたのは昨日のことだ。

昨日には意識が戻っていたのだが、倒れた時に頭を打ったとかで、念のため入院している。

といっても、今はほぼ全快していて心配するほどのものでもないのだが。


今朝は体によさそうな病人食を食べた後、特に目的もなく、病院内をぶらぶらと歩いていた。

暇だったのもあるが、病院独特の光景に興味を惹かれたのだ。


廊下にはたくさんの人がいる。

足を怪我しているのか、車椅子で動いている人もいれば、僕と同じように元気そうに見える人だっている。

そんな、光景に気を取られていたから、彼女にぶつかってしまったのだろう。



「あっ」



高めの声に、大人びた雰囲気。

けれど、身長は低く、触れれば折れてしまいそうな儚さを感じさせた。



「大丈夫ですか!? あまり前を見ていなかったもので…すみません」

「いえ、こっちこそ…」



不自然に言葉が切れる。

なにか、おかしなことをしてしまっただろうか。



「まふまふ、さん…?」



その口から出てきた僕の活動名にはっとする。

彼女は十中八九、僕のリスナーさんだろう。

僕を知ってくれている人がここにもいる、そう思うと自然と心が温かくなった。



「沢島さーん、沢島さんはいらっしゃいますか?」



看護師さんが誰かの名前を呼んで、廊下を歩いてくる。

それに気が付いた彼女は、僕に一声かけると、背中に隠れた。

この反応からすると、あの人は彼女についている看護師さんなのだろう。

なぜ看護師さんから隠れているのだろう。そうしなければならない理由があるのだろうか。

看護師さんがいなくなった後、彼女は身を隠すのをやめ、頭を下げた。



「すみません…」

「いえ、大丈夫ですよ。…でも、いいんですか? さっき、看護師さんが探していたの…あなた、ですよね?」

「あ、はい…」



彼女は辺りを気にするように見回す。

見つかることを恐れているのだろうか。

いけないことなのかもしれないが、彼女が身を隠すには一度僕の部屋に来てもらうしかないだろう。

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千々(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます! (2022年12月5日 9時) (レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです! (2022年11月4日 20時) (レス) @page22 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 藍猫さん» おお!おめでとうございます!!(一年ほったらかしにしてて本当にごめんなさい……) (2022年9月4日 11時) (レス) id: 84f8a35d43 (このIDを非表示/違反報告)
藍猫 - スウッッーーーーー…そういえば10月18日って私の次の日じゃないですか…えまって嬉しい( 〃▽〃) (2021年7月17日 2時) (レス) id: 0f30a0c194 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 飢えているから書けたんですw そう言っていただけるなんて嬉しいです……! 自信につながります1 (2020年6月18日 21時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/  
作成日時:2020年4月30日 15時

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