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story12 ページ14

「え……? そらるさん、なにを言っているんですか?」



苦笑交じりに訊いてくる。

違う、そう装っている。



「なあ…わかっているだろ。俺より、まふの方がわかっているはずだ」



あの男性に聞いた、“亡霊ちゃん”のあだ名の理由。

まず大前提としてAさんは交通事故に遭ったんだ。中学二年生の夏に。

そこで、死んだ。







『うちのクラスに、その事故現場を見たって奴がいて。で、救急車で運ばれていったらしいんすよ。そのあとにも、相川さんの家が葬儀の準備をしていたらしいし』







男性はそういった。

もちろん、この情報が間違いだという可能性もある。







『だけど、しばらくしてからAさんが学校に来たからそりゃもう驚いて。そのときには死んだって噂が広まっていたから、“亡霊ちゃん”っていうあだ名がついたんです』







嘘だとは、思えなかった。

俺は当事者ではないから、あくまで推測の域を出ないが、辻褄が合いすぎるのだ。



「なにいっているんですか。そしたら、昨日家に来たAはどうなるんです? そらるさんも、見ましたよね?」



それはそうだ。

確かに昨日、Aさんは家に来た。それに俺もAさんの家に行き、会話をした。

そのことを否定するつもりはない。



「確かに…そうだな」

「なら、Aは死んだりなんかしていませんよ。死んだ人は生き返らない。当然のことでしょう?」



尚もまふは否定を続ける。

まふまふの心を推し量ることはできない。

けれど、その思い込みだけは正さないといけない。



「……昨日家に来たのは、Aさんじゃない」



その瞬間、まふの顔色が確かに変わった。

違う、おまえを追い詰めるつもりなんて微塵もない。

ただ、目を逸らさないでほしいだけなんだ。



「もう“まふまふの妹”である本当のAさんはいない。交通事故で死んだ。昨日来たのは……所謂、Aさんの“そっくりさん”だ」







『……え? Aさんが双子? そんな話、聞いたことないっすよ。俺らの学年は、双子なんていなかったと思いますし』







この時点で、Aさんが双子だという可能性はなくなった。

しかしそれならば、おばさんが見た、“Aさんにそっくりな女の子”は誰か、という話になる。



「昨日家に来たのは“Aさんにそっくりな女の子”。その女の子は、“ゴミ捨て場”出身」



“ゴミ捨て場”

その忌避される理由も、俺は知ってしまった。

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千々(プロフ) - くまくまちゃんさん» 最初のころの作品で語彙力ドバドバ崩壊なのにそういっていただけるなんて嬉しいです……! コメントありがとうございました! (2020年11月1日 14時) (レス) id: 4401622583 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - すごいふかいなぁ。神かな?←面白かったです! (2020年9月19日 9時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - ひきねこさん» こちらにもコメントありがとうございますっっ! たくさんのコメントは本当にモチベに繋がるので嬉しいです……! 神作と思っていただけるのはRONONさんのネタが素晴らしいからですね、上手くネタを生かせたか心配ですけど、そう言っていただけて良かったです! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)
ひきねこ - こんにちは 新しい方のから読みに来ましたよ なんですか!?作者様は神作しか書けないんですか!?コホン…凄く良かったです 他のも読みにいきます (2020年8月18日 19時) (レス) id: b9ac26b4ea (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - #よにん。@変人系カップル&シトラ教教組さん» これからも読者さんの期待に応えられるように、誠心誠意頑張らせていただきます……! ありがとうございました! (2020年8月5日 15時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/  
作成日時:2020年5月10日 14時

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