In the Bank 2 ページ6
ニュートは、椅子に座りながらも見える範囲を隈無く見渡す。Aに念を押されたが元々ニフラーを逃がしてしまったのは自分の不注意が原因だ。Aに尻拭いまでさせるのは申し訳なさ過ぎる。
「やぁ。今日は何の用？」
同じ椅子に座っていた男性が、ニュートに問い掛ける。
彼は先程人集りの中でニュートにぶつかった人物なのだが、ニフラー探しに必死のニュートは顔すら見ることをしないのでそのことに気付かず、当たり障りもない返事をする。
「あなたと同じ」
「パン屋を開く資金の相談に？」
ニュート返答に驚いた男性が、更に質問をした。
「そう」
すごい偶然だ。そう小さな声で驚いている男性。
Aがいれば、その場で違うと直ぐに否定が出来るのだが、Aは今、ニフラーを探して銀行内を歩き回っている。ツッコミ役がいない二人の会話は、変な誤解を生んだままである。
「さっきの綺麗な人は、奥さん？」
「ええ、まあ」
更なる誤解が生まれた。
だが、ニフラーを探し続けるニュートは全く気付かない。
わお…、と男性が感嘆の声を上げたことにも気付かない。
そうか、あの奥さんと二人で経営するパン屋か、と、男性は想像を膨らませていく。相当に美人だった。少し気が強そうだったが、そんなところも全て許すことが出来るレベルの美人だった。あんな美人が奥さんだなんて羨ましいものだ。彼女が店でレジをするだけで、彼女目当ての客が絶えないだろう。二人のパン屋はきっと大繁盛だ。
だが、自分も夢の為には負けていられない。
「まぁ お互いベストを尽くそう」
そう言って、ニュートに向けて手を差し出す。
その時ニュートは丁度、男性の背中越し、柱の向こうにニフラーがいるのを見付けた。床に置かれた鞄の中身を、嘴を使って器用に出していた。近くにAの姿は見えない。急いで捕まえなければ。Aの忠告など忘れたかの様に、ニュートの身体は動いた。
「失礼」
ニュートは素早く椅子から立ち上がり、ニフラーの元へと向かう。
椅子に一つの卵を残して。
「おい！」
卵の存在に気付いた男性がニュートを呼ぶが、振り向きもしない。
「なぁ、そこの旦那、旦那！おい、あんちゃん！」
何度呼んでも戻ってくる気配もなく、自身も銀行員の秘書に呼ばれ、男性は仕方なく卵をポケットへと入れる。この行動が、後々彼を魔法の世界に巻き込むことになるとも知らずに。
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tibiyukip(プロフ) - 花音さん» はじめまして。コメントありがとうございます。プライベート多忙で全然書けてなくて申し訳ございません。コメント頂けて頑張る気持ちが出てきました！ゆっくりになってしまうと思いますが、待っていて下さると幸いです。 (2020年12月12日 23時) (
レス) id: ba1fb87ea6 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月1日 12時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
tibiyukip(プロフ) - ハーレクインさん» コメントありがとうございます！原作壊さない様に注意していたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んで下さる方がいると分かるとやる気が出るので、ゆっくりになってしまいますが頑張って書くので、待っていて下さると幸いです。 (2019年1月27日 18時) (レス) id: e2ffef0477 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 世界観が原作に忠実で素敵です！更新無理はしないで下さいね！でも待ってます！頑張って下さいね。 (2019年1月27日 17時) (レス) id: 6e522d86ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tibiyukip | 作成日時：2018年12月22日 16時
