Porpentina Goldstein 2 ページ14
コワルスキーは、ニュートの言葉に険しい顔をしながらもコクコクと頷いたが、ニュートが杖を取り出そうと後ろを向いた瞬間、トランクを掴んで、思い切り振り抜いた。トランクはニュートに当たり、ニュートは体勢を崩す。そして、Aの腕を勢いよく引き、ニュートの方へと突き飛ばした。
「きゃっ…！」
「うわっ」
ニュートは直ぐに立ち上がろうとしたが、自分の方へ倒れて来るAを慌てて受け止め、勢いのまま尻餅をつく。Aはニュートの腕の中にスッポリと収まった自分の状況を理解して、顔に一気に熱が集まる。
謝罪の言葉を言いながら走り去って行くコワルスキーを追い掛けることも叶わず、ニュートはその後ろ姿を見送りながら、無意識に言葉を落とす。
「しまった…」
「…ごめん」
「A、ちょっと油断してたでしょ」
素直に自分の非を認めたAに対して、ニュートは僅かに楽しそうな声音で聞く。自分のことを理解仕切っている様なニュートに、Aは無性に悔しくなって、ニュートの胸に額を押し付ける。ニュートはクスクスと笑いながら、Aの頭を撫でた。
「マグル相手だから、少し気を抜いてたかも」
気を付ける、と小さく呟いたAの髪をくしゃくしゃと勢いよく撫で回し、ニュートはAを支えながら一緒に立ち上がる。ちらりと覗いた先から、一人の女性が歩いて来たことに気付いたニュートは手早く服に付いた砂を払い、Aに目配せをする。Aは乱れた髪を手櫛でさっと直し、コートの襟を正す。
「さて、と」
ニュートはトランクを持ち直し、何事もなかったかの様に陰から出て歩き始める。Aもニュートに着いていこうとコートのポケットに手を忍ばせたが、そこで違和感を覚えた。
そういえば、ポケットに何か入れなかっただろうか。
先程までの事をぐるぐると思い出す。イヤリングを外して、ポケットに入れたはずだ。だが、左右どちらのポケットにもイヤリングは入っていない。
周囲を見渡してみると、少し離れた所に小さく光を反射する物が見えた。コワルスキーに突き飛ばされた時に、ポケットから落ちたのかもしれない。ニュートに置いて行かれぬ様、Aは慌ててソレを拾い上げる。間違いなく、自分のイヤリングだった。気付いて良かったと、イヤリングをつけ直し、ニュートを追い掛ける為に一歩踏み出す。
「ごめん、ニュート待っ……て、あれ…？」
直ぐそこを歩いていたニュートの背中が姿を消す瞬間が、Aの目に入った。
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tibiyukip(プロフ) - 花音さん» はじめまして。コメントありがとうございます。プライベート多忙で全然書けてなくて申し訳ございません。コメント頂けて頑張る気持ちが出てきました！ゆっくりになってしまうと思いますが、待っていて下さると幸いです。 (2020年12月12日 23時) (
レス) id: ba1fb87ea6 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月1日 12時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
tibiyukip(プロフ) - ハーレクインさん» コメントありがとうございます！原作壊さない様に注意していたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んで下さる方がいると分かるとやる気が出るので、ゆっくりになってしまいますが頑張って書くので、待っていて下さると幸いです。 (2019年1月27日 18時) (レス) id: e2ffef0477 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 世界観が原作に忠実で素敵です！更新無理はしないで下さいね！でも待ってます！頑張って下さいね。 (2019年1月27日 17時) (レス) id: 6e522d86ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tibiyukip | 作成日時：2018年12月22日 16時
