力の差 ページ27
「マジン・ザ・ウェイブ！」
のりかが技を出すも、耐えられずに飛ばされてしまった。
イタリアの先制点。この短時間で決められたことのショックは大きかった。
『のりかちゃん！大丈夫ですか？』
「うん…。
強いね…けど負けない！」
諦めようとはしないのりかにAは笑顔で頷いた。
試合が再開するも、動きの速いイタリアについていけないイナズマジャパン。
なぜあそこまで速いのかも分からず、危機的状況だった。
灰崎がボールを運んでいると、ディフェンダーのアリーチェが突然動きを鈍くした。
風丸は隙をついてスピニングフェンスでボールを奪った。
そこにミッドフィールダーピエトロが迫り、後ろにはディフェンダーのディアナ、同じくディフェンダーのエルマが。
だが、ディアナが姿勢を崩し、エルマとぶつかる。
アリーチェといいディアナといい、何かおかしい。
だがそれに救われた風丸。灰崎、水神矢とともにゴール前へ。
「皇帝ペンギン2号
皇帝ペンギン2号は
「真実の大口！」
女子キーパーガブリエラは必殺技を使うが、止められない。
点が決まる、そう思われたが、キャプテンペトロニオは走り、ギリギリの所に突っ込み、シュートを止めた。
今の数秒の間にゴール前まで走れる速さ…そして、新しい技が止められたこと…イナズマジャパンはショックを隠しきれない。
『イタリア代表…すごい…』
速さだけでなく、咄嗟に走り込む判断力までもあるイタリア。
点を入れられず、再スタート。
だがやはり速さに勝てず、すぐにボールを取られてしまった。
「アンバランス・ピサ！」
『はっ…
カミーリアイージス！』
Aは点を入れさせないと必殺技を使う。
『くっ…！』
だが威力はディフェンダーの技で止められるほど弱くない。
Aは耐えられずに飛ばされてしまった。
そしてボールはのりかが届かない所へと上がり、ゴールポストギリギリの場所に入ってしまった。
イタリアの二点目。力の差がここまでとは思っていなかった。そして走り続けていたイナズマジャパンはもう息が上がってしまっている。
まだ前半だというのにこの状態では本当に負けてしまう。
焦りが多い中、雲行きが怪しくなる。
フィールド上には雨が降り、ゲリラ豪雨となった。
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