経穴殺法 ページ19
「動けるかい？」
『はい…大丈夫です。まだピリピリはしまけど』
「あれの正体だけど、どう分かったの？」
『やられてようやく分かりました。ここを刺激された時に、倒れて』
Aが指さしたのは首の後ろのあたり。
『ここにに力をいれても普通倒れない、そこまでしか分からなかったのですが…』
「いや、十分だよ。ありがとう」
完全には分からなかったAだが、イレブンバンドにメールが送られてきたことで正体が分かった。
「禁断の経穴殺法か…」
『経穴…殺法？』
「人のツボをつくんだ。通常のツボではなく、ついてはいけないとされている場所をね」
だが、何をしているのか分かっても防げなければ意味が無い。誰が使えていつ使われるのか。
どうしようもない中、攻め上がる。
氷浦がボールをヒロトに運ぶと、ヒロトはツボをつかれ、倒れそうになる。
が、その直前になんとかパスを出し、灰崎に。
だが灰崎がパスを受け取ってすぐにアルトゥールにやられた。
来るタイミングの予想のしようがないが、明日人は構わずに攻め続ける。
一度やられたが、すぐに立ち上がる。そしてまた、また、と三回もツボをつかれた。
これだけくらってはダメージが大きすぎる。一星も無茶しすぎだと指摘したが、大丈夫だと言う。
これが明日人だとAは思う。
真っ直ぐに、敵を恐れずに一番に動き出す強さ。
明日人はどんな時でも仲間を照らしている。
イナズマジャパンが攻め始め、灰崎が前に出た。
その時にミッドフィールダーのダニーニョは経穴殺法を使おうとした。
が、
「やめろー！」
ミゲルがなぜか止めに入り、そこで前半は終了してしまった。
さっきまで経穴殺法をしていたミゲルが止めようとしたことに、灰崎は仲間割れか、と思う。
ブラジル代表は何があって仲間割れの状態になったのか、イナズマジャパンには分からなかった。
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