オリオンのやり方 ページ11
フランス戦当日、FFI決勝トーナメントということもあり、会場は熱気に包まれていた。
記念すべき第一回戦はイナズマジャパン対フランス代表。イナズマジャパンは正々堂々と行える試合に胸を弾ませていたのだが。
時間になってもフランス代表が来ない。到着が遅れているのかおもったが、そうではなかった。
実況のマクスター、解説の角馬のもとに届いたのは一通の紙。
そこにはフランス代表が不戦敗になったとの情報が。
なぜ不戦敗なのか分からず、必然的に勝利となったイナズマジャパンはロッカールームへと移動した。
「どうやらフランスチームは全員、食中毒の症状を訴え、入院しているとのこと」
全員が食中毒だなんてあるわけがない。この事実に、オリオンが食中毒を仕掛けたのでは、という結論に。
オリオンはイナズマジャパンが反旗を翻そうとしていることを知っているため、見せしめするためにフランス代表を食中毒にして不戦敗にしたのだろう。
フランス代表はオリオンが関係していないチームのはずなのに、試合ができなかった。だから、何かしたい、明日人はそう言い出した。
何かとは、食中毒の原因を探り出すことだった。
明日人、灰崎、野坂、氷浦の四人は、食中毒はオリオンが引き起こした証拠探しに出かけ、その他のメンバーは待機した。
『ヒロト、どこ行くの？』
「部屋」
Aの手を引きながら早足で向かうヒロト。何をそんなに急いでいるのか、理解できないA。
Aの部屋に着くと、鍵を閉めて向かい合う二人。
「日本に帰れ」
ヒロトが言った言葉は予想外のものだった。
『帰れ、って…どうして？』
急なことに戸惑うが、無理もない。誰だって帰れと言われたらこうなる。
「もう十分見ただろ？オリオンはどこまでも邪魔なヤツは排除する。離脱したやつだっている。日本は特に敵視されてんだぞ」
『けど、何があっても優勝するまで日本に帰りたくない』
「オリオンはどんなことをしてでも勝とうとするヤツら。ロシア戦みたいなことが起こることなんていくらでも考えられる。そこにお前がいれば、やられる」
『そんなの、分かんないよ？私がやられるかなんて。
それに、私はどんなことをされてもちゃんとしたサッカーをやりたい。それで勝ちたい。だから、怪我したっていいよ』
「分かんねえから帰った方がいいんだよ！Aが心配だから、これは譲れねえ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
