広がる疑問 ページ1
『灰崎くん、ダメです…！』
アースに怒る灰崎を止めるA。灰崎は明日人だと確信し、裏切ったことを責め立てる。
「どう考えても明日人なんだ！止めねえと！」
剛陣はさっきまで違うと言っていたが、明日人の技を二つも見せつけられては黙っていられないため、剛陣は目を覚まさせる、と言う。
『だから、アースさんは明日人くんじゃな…』
「俺もAと同じだぜ」
ヒロトはAにだけ聞こえる声で言う。
『ヒロト…』
「アイツが明日人だろうと明日人じゃなかろうと、関係ねえ。勝てばいいんだろ？そうすればきっと戻ってくる。
明日人じゃないかは分かんねえけど」
ヒロトは本当は無理をしていた。思ってないことをAのために言っているにすぎない。
ここまでしたくなったのは、好きな人を守りたい。そのオモイが動かしていたのだろう。
そんなことAが気づくわけもなく素直に喜ぶ。
『ありがとうヒロト…』
笑顔を向けるAに、ヒロトは照れを隠すように顔を背けた。
ここで話題がアースについてなのを知った。
析谷がアースについて調べて出てた情報は、イナズマジャパンとの試合直前にロシア代表に選出されたことだけ。
このことに、推理をたまに披露する氷浦が、今回は真剣に考える。
明日人がいなくなったのと、アースがロシア代表についたのはほぼ同じタイミング。つまり、明日人とアースは同一人物だと考えられる。
やはりあれは明日人…そう考えたイナズマジャパンを切り替えさせるように、監督がスマホのアプリでドラ音を出す。
後半に向けて準備するために、この話は打ち切りとなった。
後半が始まっても、アースの高い能力についていけない。
すぐにゴール前に進まれてしまった。
万作、氷浦、のりかの三人はどうしても明日人に敵をやめてもらいたい、その一心でアースに懸命に呼びかける。
が、アースは苦しみ始めた。明日人と言われる度に締め付けられているように見える。
急にボールをフィールドの外に出した。
洗脳されている？そんな疑問が野坂と一星の間に産まれた。オリオンが何かし、こうなっているのではないか…。
もう一度呼びかけると、また苦しむアース。本当に洗脳されたのかと思うものはイナズマジャパンだけではない。
アースと共にフィールドに立ったマリクもだ。彼もアースのことを心配している。
(本当に明日人くんなのかな…)
Aはまだ何か引っかかっている。
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