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_関東卍會本部 ビル
九井「…。」
A「…。」
九井「お前さ、」
A「あの、」
九井「何だよ。」
A「何ですか。」
九井「…」
A「…」
九井は思った。
女はめんどくさい、と。
先に沈黙を破ったのはAだった。
A「あの…お名前聞いてもいいですか。」
九井「ここのい はじめ。」
A「あ…はい。九井さんですね。」
九井「…あんたいくつ？」
A「21です。」
九井「ふーん。」
＿乾の姉、赤音が生きていればそう変わらない歳か。
九井は赤音以外の女に興味を持ったことがなかったが、あのマイキーが大事にしているとなれば気にならないわけがなかった。
九井「今日、マイキーは王になる。お前はその女になれるんだ。…喜べよ。」
A「王…ですか。」
九井「それとも、三ツ谷たちが勝てるとでも思ってんのか？」
鼻で笑いながらAに問うが、Aの表情からは何を考えているのか読み取れなかった。
A「勝つとか負けるとか、私には関係ないですから。王って言われても、興味ないです。」
九井「変な女だな、あんた。…怖くねーの？」
A「怖いですよ。」
ふぅと溜息をつきながらAは言った。
A「万次郎君は私にとっても大切な友だちだし、隆は、かけがえのない人です。なんで友だちが、仲間が争わなきゃいけないのか、私には到底理解できない。命にまで関わって…万次郎君を止めたいだけなのに。」
九井「あんたらと俺らとじゃ、住む世界が変わっちまったってことだよ。…でも、あんたがいることで、まだマイキーは堕ちきらないでいれんじゃねーの？」
感覚というのは、男性よりも女性のほうが優れている。
九井が完全に敵ではないことを、Aは理解していた。
A「…ありがとう、九井さん。」
“乾赤音「ありがとう。」”
九井「…っ！べ、別に俺はなにもっ…！///」
九井「あんたといると調子狂うわ…ちょっと外の様子でも見てくる。…って、どうかしたか？なんかさっきから顔色悪くねーか？」
A「いえ…大丈夫です。」
不審に思い、九井がAに近づくと、突然Aの意識がなくなった。
九井「お、おい…！？」
A「九井さん…、お願いがあるんですが…。」
九井「…え？」
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作者名：miyuu | 作成日時：2022年1月21日 17時
