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万次郎 side
万次郎「お前は…何者だ。」
三ツ谷の女。
今は“俺の”女。
A「ん…？万次郎君…？」
万次郎「…起きたか。」
A「あ…、おはよう。って今何時…？！」
万次郎「夜の９時。」
A「え…えぇ？！私今日ずっと寝てたの？！」
万次郎「…ふっ、はは。」
A「…！！」
久しぶりに笑った気がする。
Aが起きただけなのに。
万次郎「昨日は…悪かった。」
彼女は少し驚いたような表情で俺を見ている。
A「私…気にしてないから。」
気にしていないわけがない。
殺されかけたんだぞ？
万次郎「自分の女殺さねーよ。」
A「…う、ん。」
万次郎「でももし、三ツ谷の女に戻るっていうなら話は別だ。」
ダチの女を無理やり自分の女だと言い、
失いそうになったら力で解決しようとする。
自分があまりにも子どもじみていることはわかっていた。
A「あの、万次郎君。」
万次郎「ん？」
A「私は絶対に“あなた”をあきらめないから。」
万次郎「…は？」
A「万次郎の女上等よ。…絶対に負けないから。」
_ドクンッ
”武道「ぜってー負けねー！」“
万次郎「…っ」
＿忘れろ。
俺とあいつらとではもう住む世界が違うのだから。
万次郎「…お前のこと取り戻しに来るなら、俺は三ツ谷だろうがなんだろうが殺す。」
A「万次郎君…」
万次郎「それが本当の俺だ。」
A「万次郎君…！」
_ガチャ
Aの部屋を出て、一つ深呼吸をする。
三ツ谷…タケミっちとの抗争はもはや時間の問題だ。
きっかけなんて何でもいい。
俺は、“俺”を生きるのみだ。
_________________
柴八戒「すげーよたかちゃん！やっぱりたかちゃんはすげーよぉぉぉ！！」
三ツ谷「八戒…わかったからもう泣くのは勘弁してくれよ。」
柴柚葉「でも初参加で特別賞って、確実に名前は知られるじゃない。すげーよ、三ツ谷。」
三ツ谷「…サンキュ。」
まぁそう簡単にデザイナーの道は開けるとは思っていなかったが、柚葉の言うとおり、賞に入ったことで俺の名前が業界関係者の耳に入るのは間違いない。
柴柚葉「それで…あんたどーすんの？」
三ツ谷「どうって、デザインの勉強続けて…」
柴柚葉「そーゆーこと聞いてんじゃないの。」
あれよあれ、と柚葉の見やる方へ目を向けると、
三ツ谷「タケミっち、千冬、ぺーやんに乾…。」
かつての仲間が揃っていた。
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作者名：miyuu | 作成日時：2022年1月21日 17時
