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A「武蔵神社…ってここ？だよね…。」
階段を登り、鳥居をくぐると、男性が一人お参りをしているのが目に入った。
A「万次郎…君？」
声をかけて、振り向くまで、何秒かかっただろうか。
「久しぶりに会ったのに、…なんで泣いてんだよ。」
A「え…？あれ…ほんとだ。」
彼が振り向いたときには、私の目からは涙があふれていたようで。
万次郎「元気そうだな、A。」
A「うん…万次郎君もね。」
ねぇ、隆。
万次郎君は何も変わってないよ。
優しい目をしてるもの。
万次郎「A…？」
A「万次郎君…今、どこにいるの？」
万次郎「どこって…目の前にいるだろ？何言ってんだよ。変な奴。」
そう言って笑う彼のまなざしは、私に真一郎さんの笑顔も思い出させた。
だから…
A「違うよ万次郎君…どうして関東卍會にいるの？」
万次郎「…。」
その瞬間、万次郎君から笑顔が消えた。
そして彼はグイと私のことを引き寄せた。
万次郎「それ聞いて、どうしたいの？」
A「どうって…それはっ」
万次郎「俺のこと気になったってさ、具体的にどういうこと？」
A「だからそれは…その、」
さらに距離を詰めてくる彼に、少し恐怖を感じたけれど、ここで負けたらだめだと思った。
万次郎「なに？俺に真一郎のこと見てんの？」
A「…え？」
万次郎「あぁ…それで東卍も解散して、俺のこと心配して連絡でもくれたってことか？」
A「ちょっと…さっきから何勝手に話し、」
万次郎「はは…」
A「万次郎君…？」
次の瞬間、彼は恐ろしい一言を放った。
万次郎「今の俺は、お前のことも殺せる。」
A「…っ！」
“三ツ谷「…そ。元東卍のトップがさ、“俺ら”にとっての親友なんだけど…“俺ら”の知らねぇ奴になっちまったんだ。」”
隆が言っていたのはこれだ。
A「私のこと“も”ってことは、ドラケン君たちのことも…？」
万次郎「そうだけど、何？」
間髪入れずに答える彼の瞳は、さっきとはまるで違う。
誰も、何もかも、映していないようだった。
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作者名：miyuu | 作成日時：2022年1月21日 17時
