And now Dear-2 (ページ6)

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TH side

「…で、その時に彼女が落としていったのが、あのピアスだったんだ。」

JK「そうだったんですか…。」

「それから彼女に会うことはなかった。結局名前も聞けなかったし。」

JK「なんか、シンデレラみたいな人ですね。」

「はは…確かに。」

JK「それで、王子様は彼女が落としていったピアスを持ち続け、ずっと探していたと？」

シンデレラ。

片方のガラスの靴を落としていったヒロイン。

王子様は必死になって国中を探し、シンデレラを見つけ出した。

たった１つの手掛かりであるガラスの靴を頼りに…。

「俺は、王子様じゃないよ。」

JK「…ヒョン？」

すぐに彼女を追いかければよかった。

泣いている彼女を目の前にして声をかけることすらできなかった。

でも、

BTSとしてあらゆるメディアに取り上げられれば彼女の目に留まるかもしれない。

そうしたら彼女がライブに来てくれるかもしれない。

"かもしれない"

「他人任せだよな。」

JK「ヒョン、でも、逢えたじゃないですか。」

JK「ヒョンが探していたシンデレラが、Aさんかもしれないって思うのなら、ちゃんとはっきりさせてください。」

「…ん。」

JM「おーい二人とも次のお店行くよー？」

俺たちの会話を聞いているんじゃないかって思うくらい、絶妙のタイミングで割り込んでくるジミナ。

「はいよ。」

JK「僕は…Aさんが嘘をついていると思っています。」

「嘘？」

JK「恋人がいるっていう嘘です。…あくまでも僕の直感ですけど。」

「そう思いたいっていうのは分かるけどさ、グク？」

JK「とにかく！今日でAさんとはお別れなんです…仕事上は。僕もヒョンも、今日しかチャンスがないってことですからね？」

「そうだね。…分かったよ。」

グクの勢いに負けてそう言ってしまったものの、

「さぁ～て、どうするかな～。」

JM「Aさーん？次のお店行くよー！」

ジミナに急かされて手に取っていたピアスを慌てて戻す彼女を見て、

あの時と同じように、可愛いかもって思ってしまった。