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TH side
ついに始まった東京ドーム公演。
目の前に拡がるのは大きな歓声とたくさんのペンライト。
(ファンのみんながいる!!)
それが分かる瞬間、俺のテンションも一気に上がるんだ。
Aさんを確認できるチャンスは一瞬だ。
きっと照明が明るくなるMCの瞬間だけ。
しかもMCに集中しなきゃいけないから自分以外のメンバーが話している時だけだ。
(必ず見つけてみせる…!)
体中から湧き上がってくる熱を感じる。
1曲目は最新曲。
(見てくれっ…!!)
――――
NJ「せーの」
BTS「「「「「「「アンニョンハセヨー!防弾少年団です!!」」」」」」」
――キャーー!!
僕ら一人ひとりの挨拶から始まる。
「BTSのVです!きょうはにほんのアーミーのみなさんにあいにきましたー!ぼくらとすてきなじかんをすごしましょう!!」
――キャー!テヒョンーーー!!
―――テテー!!
みんなの声が聞こえる。
覚えたフレーズもしっかり言えた。
JK「今日は、皆さん、来てくれて本当にありがとうございます。」
一際大きい歓声が上がったのは、やっぱりグクだった。
JK「ライブが始まる前にお伝えしましたが、僕は今日、ダンスすることができません。…でも、ダンス以外で皆さんに届けたい想いを表現しますので、楽しみにしていてください!」
――わあぁあ!!
――グクー!!
話終えると、会場からは温かい拍手と声援がグクに贈られた。
NJ「よろしくお願いします!…では〜〜続いての曲行きましょう!!」
――キャーー!!
――――
…。
それはほんの一瞬。
(…いたっ!)
見つけたんだ。
祈るようにこちらを見つめる彼女の姿を。
あの日と同じように、ハンカチで目を抑えていたようにも見えたけれど。
2曲目に行く直前にジョングクに視線を送ると、コクリと頷く仕草を俺に向けた。
(気づいたみたいだな、グクも)
どうか、俺の、グクの…俺たちの想いが君に届きますように。
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作者名:miyuu | 作成日時:2018年10月6日 11時