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TH side
久しぶりの日本。
明後日には初日の公演は…
ずっと夢に見ていた、東京ドームだ。
JK「・・・。」
ジョングクは空港に降り立ってからというもの、どこか感慨深そうに周囲を見渡している。、
(心の準備も必要だよな。)
俺は誰にも話していないあることをジョングクにだけは話しておこうと思った。
「ジョングク?ちょっといい??」
JK「はい?」
TH「…実はさ、Aさんに、チケットを送ったんだ。」
「え…?チケットって…いつの間に??」
正直、自分でも自分の行動力には驚いている。
Aさんのことだから、もしかしたら遠慮して受け取ってくれないかもしれない。
そうも思ったけれど、
JK「…来てくれるかどうかは分からないってことですよね?」
「いや、彼女は来てくれる。きっと。」
言葉にすれば、実現するような気がして、
マンネの前で根拠のない自信をみせてしまった。
JK「…ヒョン、カッコよくなりましたね?」
「え?俺はいつもカッコいいでしょ?(笑)」
JK「そうじゃなくて…余裕があるというか、堂々としているなって思って。」
(グクの前だからかも。)
「…負けないって言っただろ?」
JK「…!」
ちょっとびっくりしたような表情のグク。
JK「ヨーロッパにいるとき…」
「ん?」
JK「ヒョンは僕に助言してくれたじゃないですか?『ピンチはチャンスだ。』って。怪我したことで僕にしか見えない景色があるって。」
「あー…言ったかもね。」
JK「Aさんと会った最後の日、あのタクシーの中での会話…もしかしてヒョン聞いてました?」
「…え?」
JK「ソロ曲の演出を思いついたときから、もしかしたら、って思ってたんです。Aさんから言われたのは僕でしたけど、彼女の言葉を先に思い出したのは、ヒョンだったんですね。」
「起きてたの…バレてたんだ。」
JK「なんとなくでしたけどね?…ヒョン、ありがとうございました。」
「…お礼を言う相手は俺じゃないでしょ?^^」
JK「…明日、必ず成功させてみます。」
「うん。応援してるよ。」
そう告げると、ゆっくりとした足取りで前を歩いていくジョングク。
俺はそんなグクの後ろ姿を見て、
「…グクも、一段とかっこよくなったよ。」
そうぽつりと呟いた。
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作者名:miyuu | 作成日時:2018年10月6日 11時