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TH side
ディナー会場はスカイツリーにあるラウンジ。
そこへ向かうタクシーの車内、Aさんの隣には、グクが座っている。
俺は目をつぶって寝ているフリをしていた。
一応失恋状態であるマンネ。
でも、彼女のことがあきらめがつかないみたいだから、この時間だけでも、と気を遣ったつもりだった。
…Aさんが突然、グクに真面目な話をし始めた。
俺の耳はしっかり彼女の言葉を捉えていた。
A「――ジョングクさんの歌声は、これからもずっと、BTSにあり続けてください。」
JK「…あ、ありがとうございます///」
(良かったな、グク。)
傍から聞いていると、グクの声に惚れているって言っているようなものだ。
グクも同じように感じていたら、あいつ余計あきらめつかないと思うけど…
タクシー運転手「着きましたよー」
俺はこの声で起きることにした。念のため…あたかも眠そうにね。
A「ジミンさんも起きてください?」
彼女はジミンに優しく声をかける。
気だるそうに起きたジミンを確認した彼女は、
A「さようなら!」
と悲しそうな笑顔を浮かべて、車を飛び出していった。
「っ?!え?どこに…っ?!」
――バンッ
そして車はすぐに走り出した。
JK「ちょ…!運転手さん!車停めてください!!着いたって…ここスカイツリーじゃないですよね?!」
タクシー運転手「…。」
「おいっ!おじさん聞こえてる?!何で彼女をここに…!!」
タクシー運転手「すみません…私も雇われの身なので、詳しいことはお話できません。」
JK「…そんなっ!!」
「くそっ…!」
JM「…んー?どうしたの2人とも?…あれ?着いたんじゃないの??…あれ?Aさんは??」
目が覚めきっていないジミンは、状況がうまく理解できていない様子。
JK・TH「「…。」」
車は止まることなく、ヒョン達と待ち合わせの場所であるスカイツリーへと僕らを運んだ。
タクシー運転手「…今度こそ、着きました?」
JM「ありがとうございました。」
JK「…ありがとうございました。」
「どうも…、あの?」
タクシー運転手「何でしょうか?」
運転席に座ったまま、後ろを振り向くことなく俺の声に反応する。
「雇われの身とは、どういう意味でしょうか?」
タクシー運転手「…そのままの意味ですよ。私の役目はあなた方をこちらにお届けすること、そう上司から命を受けたまでです。」
「…そうですか。お世話になりました。」
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作者名:miyuu | 作成日時:2018年10月6日 11時