GAME79 ページ39
オニバニアハウスから見えた屋根の一角
その隙間から見覚えのある服装が見受けられる
彼女らに気づかれないように目を凝らせば、そこには籠からの脱出に成功したアカツキくんと助けに来たのであろうザクロくんとカイコクさんだった
合流できたようね...
キッカ「なんだかお腹が空いたわ...ヴェロニカお菓子を用意してちょうだい」
カリン「...お菓子はどちらにあるのでしょうか...?」
キッカ「そんなことも分からないの?ダメじゃないヴェロニカ」
カリン「イラッ...」
キッカ「お菓子はこの部屋を出て左奥にある部屋よ」
チャンスだわ__
貴「でしたら私目が取って参ります」
キッカ「...ヴァイオレットが?」
貴「はい、実は私お菓子を作るのが得意でして...今までに食べたことのないようなケーキをお作りすることができるのですが?」
彼女が食いつきそうな条件を出せば、案の定目を輝かせてこちらを向く
キッカ「それは食べてみたいわ!じゃあヴァイオレットお願いするわね!!」
貴「かしこまりました」
再度会釈をした後、チラリとカリンちゃんを見やり小さく口を動かす
貴「(少しの間、お願いね)」
カリン「(...!)」
どうやら伝わったようで彼女にバレないようにこくりと小さく頷いた
そんなカリンちゃんに笑みを向け_そこから退出した
_____________
no side
貴「?」
オニバニアハウスを抜け出し向かった先は彼らが居たであろう、屋根裏の場所
だが、辿り着いた時には人の気配は一切残っていない
貴「遅かったかしら...」
外の光が漏れる一枠から少しだけ顔を覗き出せば先程まで居たドールハウスを一望出来た
その位置からして彼らがここに居たのは間違いないと踏んだ彼女は来た道を戻り彼らを探す
貴「(...推測するに、侍女にされている女性たちを探しにいったはずだわ...)」
自身の感を信じ、女性たちが隔離されているであろう場所を探し回る
貴「御屋敷で隔離できる場所と云えば...地下牢か、別塔あたりかしら...」
一先ず、ここから一番近い地下牢に向かったAは気配を消しながら進むがスカートの裾が邪魔で中々に進みづらい
いっそ破ってしまおうかと手をかけた瞬間_どこからか何かを叩きつけるような鈍い音が耳を掠めた
ドゴッ!!
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作者名:ティア | 作成日時:2019年9月10日 13時