13番街もう一人の実況者2 (ページ13)

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GAME53 ページ13

＿翌朝＿＿

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗｯ

ｻﾞｸﾛ「全部枯れているようだ...」

ﾋﾐｺ「ちゃんと毒が回ったんですね」

朝方早々にアナウンスが流れ、第四ステージのクリア報告を言い渡された
原因を知る私はともかく他のみんなはいきなりのことに疑問符を浮かべていたが、ユズさんからの報告で”夜中に遭遇したマンイーターを倒したらまさかの司令塔だった”と口にした

そこでみんなは納得し、現在＿確認のために殲滅したマンイーターの様子を見に来ている

ｶﾘﾝ「...ていうかあのふたり、なに？」

そう言ってカリンちゃんが指したのは窓際に立つアカツキくんと彼に抱きついているユズさん
抱きつかれている本人も驚きのあまり疑問符を浮かべている

恐らく＿昨夜のことで罪悪感でも感じているのかもしれない
偽物であっても”彼”であったことには変わりないのだから

貴「...さっ第4ゲームも終わったことだし、私は一旦部屋に戻るわね」

ﾋﾐｺ「あっ、はい」

ヒミコちゃんたちに一言告げてラウンジを後にしようと足を動かしたところで、壁にもたれかかったカイコクさんが険しい表情でユズさんたちを見やる姿が目に入る

きっと彼も彼女の異変に気づいている
だからこそ今回のクリア報告に疑問を感じているはずだ
だけど私は公言しない

そのまま私は見なかったことにして自室へ戻った

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ﾄﾞｻｯ

貴「ふぅー...」

自室に戻った途端に目の前のベットへ倒れ込む
ゆっくり息を吐き出して仰向けに寝返りを打ち天井を見つめればここ何日間について思い出す

私たちがここへ来て早数日が経過し＿少しずつこの”世界”に慣れ始めつつある
了知したこともあるが、殆どは不透明である今現在
まだまだ調べなければならないことが山ほどある

だけれどカウンターは順調に回っている
謎を解明するが先か、願いを叶えるのが先か

貴「楽しみね...」

ｺﾝｺﾝ

貴「！...はい」

突然のノック音に起き上がりドアを開ければ向こう側にいたのはカリンちゃん

貴「カリンちゃん？」

ｶﾘﾝ「...あのAさん、もしお時間あれば露天行きませんか？」

貴「露天に？」

ｶﾘﾝ「はい、これからユズ先輩たちと行くんですけど...良かったらAさんもどうかなって...」

気恥しそうに口にする彼女に笑みを向ける
折角誘ってもらったのだからお言葉に甘えよう

貴「そうね、ご一緒させてもらおうかしら」

ｶﾘﾝ「！...はい！」