GAME52 ページ12
「__知らないのかい?あっきーは両利きなんだよ」
...この声はユズさん?
何が割れる音が男子トイレの中から響き渡り壁伝いに身を寄せると中から聞き覚えのあるユズさんの声が聞こえた
会話の相手はアカツキくんだろう
ユズ「幼稚園までは左利きだったが小学校に上がる前に右へ矯正をしている。結局飽きてしまって左右混ざってしまったようだがね」
そこからユズさんはアカツキくん利き手の内容を説明しだした
恐らくそれは、彼や彼の家族_いやもしかしたら彼らも知りえない情報
どうして彼女がそんなことを__
ユズ「意思疎通、自己防衛、虚偽の発言...今までのマンイーターより知能があるな。ひょっとしてキミ、マンイーターの司令塔かなにかかな?」
貴「!やっぱりか...」
”彼”から感じたあの空気、アカツキくんのものでは無いと薄々感じたけれど確証がなかった
ユズさんは一体いつから_気づいていたのかしら
アカツキ「あの...ユズ先輩...俺、入出ですよ?入出アカツキ...」
アカツキくん_否、マンイーターが彼だと言い張った途端に壁越しでもわかるほどの威圧を感じた
ユズ「ふっ...ふふっ..あははははははっ」
「「!」」
ユズ「...オイ」
突然の高笑いの後、先程までの彼女とはまるで別人のような狂気を含んだ低い声だ口を開いた
ユズ「なめるなよ、ボクは生涯あっきーを観察すると決めているんだ。”好意”と”恨み”と”好奇心”でね」
彼女の放った言葉にはとても重苦しく深く突き刺さる
好意と恨みと好奇心、対になる存在を掛け合わせたものから生じる人が持つ狂気
ユズ「...仮にね、ボクは君が本物のあっきーでもいいのさ。ずっとさばいてみたかったんだよ、君のこと大好きだからね」
これがアカツキくんへの異常な執着心の糧
ユズ「外側も内側も...全部”コンプリート”したいィ...」
こういう時、人はみな口を揃えてこう言う
”彼女は狂っている”と___
ユズ「キミは本当に何者なんだい?...おかげで僕の研究がいっこうに終わらな...」
そうして彼女の言葉が途切れた後_”彼”にとどめを刺したようでガサリと音を立て声がしなくなった
ユズさんが口にした”研究”という言葉が気がかりだけれどそれ以上深くは触れずにその場を後にした
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作者名:ティア | 作成日時:2019年9月10日 13時