検索窓
今日:25 hit、昨日:5 hit、合計:108,997 hit

GAME61 ページ21

貴「!」


突如何かが割れる音が響き渡る
警戒しつつ音のした方へ向かえば一店舗の窓ガラスが割れ付近に破片が飛び散っている


ゆっくりと壁伝いに近づくと店の中から聞き覚えのある声が耳を掠めた


ザクロ「おい...あまり荒らすな」


カイコク「閲覧者もグルかもしれねェな、ここの実況もどうせ一般公開なんざしてねェだろ」



中に居たのは先程見失った忍霧くんと何故かカイコクさん
会話からするに忍霧くんは彼を止めに来たように聞こえる


ザクロ「...だろうな、そうでなければ足がつく。みんな口には出さないが内心不安もあるだろう。俺たちは”向こう”で行方不明者として扱われているはずだ」


彼の言う通り_私たち参加者は新たな行方不明者として扱われているのだろう
まあ__私には関係の無い事だけれど



カイコク「なんでぇ急に、お家が恋しくなったのかい?」


冗談交じりの問いかけに首を降った忍霧くん


ザクロ「俺には目的がある、それを終えるまでは帰らない」


そう言い放った彼の声はどことなく寂寥感で溢れていた


ザクロ「俺は...双子の妹を捜している」



貴「!」



双子の妹___とても馴染みのある言葉


ザクロ「...2年前、ネット上に”ナカノヒトゲノム”のβ版が出回っただろう」


忍霧くんはそのまま妹さんのことについて話し始めた
彼女は新しいゲームを試すのが好きらしくそのβ版をやり込んでいたそう
忍霧くんは進級試験近く”それ”をやらなかったそうだが、先に実況を始めた彼女がクリア目前で失踪したらしい


私たちの時と同じように__


ザクロ「2年間捜せるあては全て捜したが、結局妹は見つからなかった。だから、一縷の望みにかけてわざと”ここ”へ誘拐されたんだ」


なるほどね、自己紹介の時パカを質問攻めにしたのはそういう事ね


カイコク「...なるほど、で?なんでそれを俺に話した」


ザクロ「...皆が従順にゲームに取り組む中、お前だけが脱出の最短ルート進もうとした。つまり、一番帰ることに執着している...そう思った」



彼がそう言えば途端に静まり返る店内
恐らく図星をつかれたのだろう、ちらりと見えた横顔がいつもと違いとても険しい表情をしていた


ザクロ「お前の行動と性格が妹に酷似している...お前と行動を共にすれば妹の消息を知るヒントになるかもしれない、だから...」


カイコク「わかった、わかった...俺ァ検体モルモットってわけだな」


ザクロ「なっ、ちがう...!情報共有だ!」

GAME62→←GAME60



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
設定タグ:ナカノヒトゲノム , 実況中 , 鬼ヶ崎カイコク   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ティア | 作成日時:2019年9月10日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。