検索窓
今日:35 hit、昨日:16 hit、合計:170,626 hit

GAME34 ページ36

...シャアァァ



貴「...」



奇声を上げ続けるマンイーターを睨み上げツタの動きに目を向ける
先程切り落とした部分は生命を無くしてかピクリとも動かない
切ってしまえば再生するにも時間がかかる
だったらその前に全部切り落としてみましょうか




ヒュッ



ザッ



ツタを伸ばし攻撃を仕掛けてきたが瞬時に避け刀を振り翳す
それによりまたも切り落とされたツタはその場で勢いを無くした



貴「あまいわね...」




そんなんじゃ私を満足させることなんてできない_



ツタの動きを読み取った私は奴に向かって走り蠢くそれを次々と切り裂いていく
その隙をつこうとマンイーターが噛みつこうとしてきたがアンヤくんが刺したパイプが邪魔をして口が開けない様子
人食い植物だというのに口が使えなければ意味が無い

その様子に目を細め奴に語りかけるように口を開いた




貴「...あなたじゃダメだったみたい」



そうして私は奴の口目掛け刃先を向けた_刹那



貴「!」




シャッ


貴「...っ」



カリンちゃんの服の隙間に隠れていたらしいツタが飛び出してきた
咄嗟に仰け反ったが避けきれずに腕を掠める
その反動で手にしていた刀がするりと抜け落ちた



幸い手袋のおかげで深手はしなかったけれど脈打つ感覚が身体に響く
読み逃したみたいね...



ふいに顔をあげればだらりと唾液を垂らしながら口を近づけるマンイーター
無理くり空けた口の真ん中にはパイプ
だけれど噛み付ける範囲は十分にある


うねらすツタと口が私を取り込むように絡み合っていく
足元に転がる刀を拾いあげこれらを切るのは容易だ

だけれど私はそれをしない
この殺伐とした雰囲気が心地よいと感じてしまったから





ああ_やっと__





そう思い目を瞑るが来るはずのものが一向に無い
ゆっくり瞼をあげれば枯れ果てていく奴の姿が目に焼き付いた



徐々に威勢を無くし終いにマンイーターはその場で動かなくなった
疑問符を浮かべながらふと横を向けば窓外から見える山の間から光が消えていく




貴「...日没?」



完全に隠れてしまった日差しに息の根が止まったようにぐったりとしていた奴を見上げた
推測するに恐らくマンイーターは昼行性
生きる糧であるそれを無くした今、奴はただの屍と化していた


結局はただの植物ということ
私が求めていたのものは手に入らなかった



貴「..ハァ...つまらない...」

GAME35→←GAME33



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
187人がお気に入り
設定タグ:ナカノヒトゲノム , 実況中 , 鬼ヶ崎カイコク   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。