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朝イチで携帯電話にメッセージが入ってきて、俺はすぐに着替えた。
携帯電話と財布をポケットに入れて、鍵を手にして外に飛び出して車で向かったのは街中を抜けた自然豊かな所に建っているペンション。
車を降りて足を進め、扉の前に立った。
そして深呼吸をして中に入ると、中島が微笑んで立っていた。
『風磨。』
そう呼んで隠した後ろから花束が現れ、俺に差し出された。
『...中島。』
『誕生日おめでとう。』
『...ありがとう。』
そう言って俺は花束を受け取ってから中島を抱きしめた。
『...びっくりした??』
『うん。』
『感動した??』
『すっげぇ、な。』
そう言って更にぎゅーっと抱きしめた。
『なぁ、風磨。』
『なに??』
『...今年はちゃんとお祝いできた。』
『...。』
『...この日が一番、苦しかった。』
『...。』
『...自業自得なのにな。』
そう言われて俺は少し体を離して、じっと中島を見つめた。
『俺も同じだ。』
そう言って花束をテーブルに置いて改めて中島を抱きしめた。
『...ずっと考えてた。』
『...。』
『...隣に中島が居ない誕生日がこの先、永遠に続くのだろうかって。』
『...風磨。』
『...で、必ず思ってた。隣に中島居ないなら、誕生日なんて無くていいって。』
『...。』
『...この世に生まれてこれたから、お前に逢えたのにな。』
そう言うと中島は俺をぎゅーっと抱きしめてくれた。
『風磨。生まれてきてくれてありがとう。』
『...うん。』
『...決めたから。悩んでも迷っても、もう逃げ回ったりしない。風磨の隣に居るから。』
『そうして。』
そう言うと中島は少し体を離した。
そしてゆっくり顔が上がり、俺は中島に見上げられた。
『中島??』
そう呼ぶと顔が近づいてきて、優しく唇が重なった。
『...風磨。』
『ん??』
『愛してます。』
そう言われて俺は嬉しさといとおしさに胸がいっぱいになり、中島を抱き上げた。
『風磨!』
『黙ってて。今、すっげぇ幸せだから。されるがままになってろ。』
『ふふ。まぁ、いっか。』
そう言ってぎゅーっと中島は首に巻き付いてきて、それすらも可愛いなと思って俺は舞い上がった。
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sz all担 - 更新頑張って下さい。 (2019年12月15日 21時) (レス) id: 64c6d97e11 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - 更新頑張って下さい! (2019年8月24日 22時) (レス) id: bb3b31a640 (このIDを非表示/違反報告)
れもんてぃー - 更新楽しみにしてます☆頑張ってください! (2018年12月19日 17時) (レス) id: cb8a59094f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:seri | 作成日時:2018年12月13日 12時