八話 ページ10
予選一回戦。
ミーティングルームでは些細な騒動があった。
「盗むなんてことするの、君くらいですよね。瞬木君」
財布がなくなったくらいで大げさな。
俺なんて骨の２，３本は折られた後奪われたからな。『力』で自然に治ってたけど。
「財布がなくなったって本当なの？」
松風がやってきた。
「そうなんです」
「合宿に忘れたわけでもないそうだ」
「だからってなんで瞬木を疑うんだ！」
そういえば瞬木の方が年上だよな…。絶対把握してないよこいつ。
「瞬木君は以前盗みをして捕まったことがあるそうです。ですから、この中から財布を盗むのは君しかいないわけですよ」
「あのさ」
視線が俺に集まる。
「試合前に無駄なことしないでくれる？くだらねえ」
「くだらないって！？これは犯罪ですよ！」
「うぜえな。外国だと普通にバックの中に入れてるだけで、盗まれるなんてことザルだぜ？
第一、俺だったら一人から財布ごと…なんて馬鹿な真似しないね」
盗賊(フィーフ)の名が廃るってもんだ。
「やるなら全員からばれない程度に少しだけ、だね」
「え…まさか…」
「勘違いすんなよ。人間の悪い癖だ。すぐに結論に飛びつこうとする。
大体、盗まれたなら盗まれたでいいじゃねえか。どうせ大した金額なんて入ってないんだろ？」
「そういう問題じゃありません！」
「やめるんだ！試合前なんだぞ！」
松風が口を挟む。
「俺たちは代表選手なんだぞ！みんなの期待を背負ってるんだ！だから恥ずかしくない戦いをして勝たなきゃ！」
「でもですね…僕たち全員サッカーをやりたかったわけじゃないんです」
雷門中の四人が虚を突かれたような顔をする。
「それぞれ条件を出されて、雇われてるだけですから」
「え…」
「たとえば、鉄角君は実家が漁師なんで壊れた船の修理代稼ぎ
野咲さんは世界最高の新体操チームへの海外留学
井吹くんも海外バスケットチームへの留学費用でしたよね？」
「ああ」
人の個人情報ベラベラしゃべりやがって。
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東雲歌音(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます！これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします！ (2016年9月6日 20時) (
レス) id: 132304d9ff (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - とっても引き込まれる感じがしてとっても面白いです！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: 6ca175061e (このIDを非表示/違反報告)
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