二十話 ページ22
野咲のプレーはからまわってばかり
周りの疑心の目線が俺の心を乱す
「滑稽だな。自分から他者より劣ることを証明するなんて」
野咲にしか聞こえないように呟く
「なんですって……」
「いい加減気づけよ！アンタの両親は、アンタの結果しか評価せずアンタ自身は認めていないってことをさ！」
自分でも驚くくらいの声が出た
「血の繋がりだなんて本来、『無価値』だ。あの両親の人形でい続けて楽しいのか？」
「私は、人形なんかじゃないわ」
「自分じゃ自覚できないもんだよ。自分という存在が『無意味』だと理解したとき、『無知』ではなくなったときにな」
この身体の肌が本物だったなら鳥肌が立っていただろう
「自分の中のすべてが粉々に打ち砕かれるんだぜ？確かに今のお前はただ二つの意志の狭間で揺れて、苦しんでいるだけかもしれない。だけど、崩壊のスピードが一定とは限らない」
「！？何が言いたいの？」
「さあ？俺にもわからねえよ」
あいつらと同種のお前に何を言いたいかなんてさ
「でもこれだけは言える。親だなんてものの鎖に縛られてる子供は、ただの人形と同じだ」
ただの人形として死んだ俺達
あるのは憎悪
どうしてもやらなくちゃいけないんだ
試合は再開した
井吹が自分の必殺技を編み出した
だが、リードされたままだ
そのことで野咲は焦った
味方のパスをカットして見事にピンチをつくるくらい
誰が出したともしれないパスが森村に向かったとき、野咲は態とぶつかりに行った
空野の心配する声に首を横に振った
「おかしいですね。今の角度から足を痛めるはずはないのに」
「悪いのは私なの…さっきから何だか目眩がして」
「そっか、だから野咲さん。練習の時みたいな調子が出なかったんだ」
「みんなに心配かけちゃってごめんなさい」
「ハハッ、心配だって？」
野咲の頭をつかんで上にあげると腹に蹴りを入れた
もちろん軽くだよ？本気でやったら胴体が二つに裂ける
「ちょっ、雲雀！」
腹を抱えてうずくまる野咲を誰もが心配する
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東雲歌音(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます！これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします！ (2016年9月6日 20時) (
レス) id: 132304d9ff (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - とっても引き込まれる感じがしてとっても面白いです！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: 6ca175061e (このIDを非表示/違反報告)
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