十八話 ページ20
俺にボールが渡る
正確には奪い取った。当然敵からな
奪い取ってこそ盗賊(フィーフ)だもんな
ドリブルに切り込もうとしたところで野咲が突っ込んできた
「チッ、邪魔すんなよアマが」
野咲だけに聞こえるようにつぶやいてかわす
「俺の道を阻むんじゃねえよ！」
「必殺タクティクス、サックアウト！」
無駄なのがわからねえのかな？
「見せてやるよ。混沌と背徳の狭間で培ってきた憎悪の力…」
深く息を吸い込む(肺はないが)
そして強く、一回、地面を踏んだ
『力』を少し込めたので、周りの選手は簡単に吹き飛んだ
そのままゴール前へ
シュート体制に入る。このまま一点リードでいけるだろう
だが、鳴り響くホイッスル
邪魔されなきゃ決められてたのに…
八つ当たりで的外れな方向にシュートを打った
壁は凹み、外壁が剥がれ落ちている
「さっきはごめんねえ？」
ハーフタイムで野咲がそういってきた
悪いとは思ってねえだろ
「まさかとは思うけど、アンタわざとやったんじゃねえだろうな」
久坂が突っかかった
「バカなこと言わないでよ！」
「野咲が絡むと調子狂うぜ」
「そうだね、攻撃のリズムが途絶えたり、チャンスがピンチになったり」
「計算外の結果ばかりです。何故上手くいかないんでしょうか」
皆が口々に一人を責める
皆でやれば怖くないってか？本当、イラッとくるよな。自分が有利だからって他人を攻め立てるのとか
「そんなこと言われても…私はただ、チームのために結果を出したいだけよ！」
本人が否定しても攻め立てるような目は変わらない
あぁ、やだなあこういう空気。たとえ自業自得だとしてもさ、一人を攻め立てるようなことは本当に……
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東雲歌音(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます！これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします！ (2016年9月6日 20時) (
レス) id: 132304d9ff (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - とっても引き込まれる感じがしてとっても面白いです！ (2016年9月5日 21時) (レス) id: 6ca175061e (このIDを非表示/違反報告)
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