きみとふたり 2（tkin） (ページ9)

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食べてる間はずっと機嫌がよくて、飲めや食えやの大騒ぎ。

飲めば長い伊野尾くんらしく「俺の酒が飲めないのかー！」って酎ハイを押し付けてくる。

でもこれくらいにしてもらわないと困る。
だって久しぶりの伊野尾くんだし。

そう思って何となく酎ハイを取り上げて水を飲ませてお風呂に誘導したらそれは素直に聞いてくれたんだけど、俺もお風呂を上がって片付けをして伊野尾くんがいるベッドへ向かったら

なんだか、餅みたいに頬をふくらませた猫ちゃんがまた分かりやすくいじけていた。

『どうしたの伊野尾くん』

「別にぃ」

『なんだよ笑』

「べっつにぃ」

その膨らんだ頬を揉んでやると、ガサガサした感触にシワを寄せる。

「絆創膏やだ」

『我慢してよ笑』

「……クリスマスおれ普通に空けてたのに」

『…うん』

「普通に過ごせるって思ってたのに、誰だよ飲み会なんか決めたヤツ殺す」

『殺しちゃダメだから！』

「……会いたかったなぁ」

ちぇって勢いのない舌打ちをならした口にそっと口付けたら、目を瞑って答えてくれる。

寂しいってあまり口に出して言わない恋人は酒が入るとこんなにも素直になっちゃって、嘘をついている自分がなんだかすごい悪役に見えて。

本当はあえるよって今すぐ言いたいけど、サプライズもしたくて、

いつの間にか寝ちゃった伊野尾くんを優しく頭を撫でると、「たかきぃ」と寝言を漏らす。できなかったけど、それでもいいや。

クリスマスにたんまり貰おう。そう思い可愛い寝顔を見てから目を瞑った。