きみとふたり 2（tkin） (ページ7)

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ごめんね、会えないなんて嘘。
恋人はサンタクロースって言うでしょ？

ちょっとサプライズくらいさせてよ。

家に帰ると届いていたダンボールを開けてみる。

細々した部品はバイクの部品よりも遥かに小さくて自分でやろうと決めた事とはいえ
少しばかりめまいがした。
でも、きっと伊野尾くんは喜んでくれるから。

明日の仕事は昼過ぎから。ちょっと夜更かししても支障はないだろう。
そう考えて早速ソファに腰かける。
眠くなっちゃたら危ないから伊野尾くんの苦手なブラックコーヒーもつぐ。

ほらね、こんな時にでも何時でも伊野尾くんの事ばかり。

こんなに自分が恋に溺れちゃうタイプだと思わなかったけど伊野尾くんのせいなら仕方ない。

『あー、つっかれた』

目も肩も腕もパンパンになっている。

時計に目をやるともう深夜2時。あれから3時間は没頭してた事になる。

ゴリゴリっと首を回すと聞こえる肩の凝った音。
しばしばする目を抑えてお風呂に向かう。

慣れてないことをするのはやっぱりちょっと疲れる。
シャワーだけ浴びて、ご飯はダイエットだしいいやってそのまま布団に潜り込んだ。

朝起きたら伊野尾くんからのLINEが二つ。

猫がいじけてるポーズのスタンプとキムチの一言。
本当に、可愛いんだから。

いつも通りちゃんと仕事をこなして、帰りに鍋の材料とお酒とか色々。

伊野尾くんに待ってるよってLINEを送ると、また変な猫がゴロゴロしてるスタンプ。

クリスマス一緒に居られないって電話してから分かりやすくいじけてくれる伊野尾くん。

前は自分の気持ち押さえ込んで「大丈夫」で押し通されていたことを思い出せば随分信頼してもらっているんだなって嬉しくなる。

材料も切って、買ってきたビールがいい感じに冷えた頃。

渡した合鍵で当たり前のように入ってきた伊野尾くんは、スタンプの猫のようにソファに丸まってゴロゴロしていた。