きみとふたり 2（tkin） (ページ13)

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「これ、大したものじゃないけど」

『……服？』

「まぁ、うん、部屋着」

『めちゃくちゃいいじゃん！ありがとう！』

「…今日俺が着てるのとちょっとデザインが違う色違い」

『……え』

「嫌だったや別に雑巾にでもなんでもしていいよ」

『しない！！絶対しない！毎日着るよ、俺これ』

「洗濯はしろよ」

可愛くない照れ隠しをする俺を心底大事だという目で見つめてはありがとうとまた抱きしめてくれた。

俺ってこんなに幸せでいいんだろうか。
恋人はサンタクロースってゆーみん、天才じゃん。
聖なる夜を大事な人と過ごせる大切さをこの歳になってはじめて知るってどうなんだろうとも思ったけど
これは高木じゃなきゃ知らなかったこと。
高木とだから知れたこと。

最高のクリスマスプレゼントをお腹に沢山溜め込んで、高木にたくさん愛される聖なる夜。

幸せで幸せで堪んなくて思わず零れた涙を高木は拭ってくれた。

朝起きると、昨日の盛り上がった熱い余韻はしっかりと服も着せてくれていた高木のお陰で湯冷めしなくて済んだ。

昨日来ていた高木とお揃いの部屋着を着せられててなんかやっぱりくすぐったい。

それになんだか袖元がゴワゴワするし、指がなんか冷たい感触。

……ゴワゴワ？……冷たい？

ばっ！と眠い目を起こしてふたつの場所を見つけるともう涙は止まらなかった。

『……んん、いのおく？…え、ちょ、え！なんで泣いてるの！』

「……だって、これ」

『あ、ふふ、うん、メリークリスマス』

「ずりぃよ、こんなの」

俺の袖には多分高木が手縫いしてくれたであろう刺繍の布がついてる。

「K」ってアルファベットが綺麗な青色で彩られた布切れがおそろいの服に。
そして左手の指には、指輪が。

シンプルなシルバーのリングが。