ヲタク性格を初対面で晒したら引かれそうなんで暫くは静かな子を演じます【青の時代】 (ページ1)

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そうだ！プロローグを書こう！と思った今日この頃ページ1

くっきりと青い空に、小型の軽旅客機が飛行している
乗客は一人きり

黒い服にサングラス、青白い顔には汗がびっしり浮かんでいる
男はマフィアだった
彼はある強大な組織から、命からがら逃げだしたところだった。

ふと、コンコン、とノックオンが聞こえた

男は窓の外を見る

14、5歳ほどのそこには少年がいた
ここは上空500m普通ならあり得ない光景だ

？？？「よぉ。邪魔するぜ」

黒服「ひ……《羊の王》！」

男が少年から離れるべく床を這ってもがいたが
その背中を、少年の足が踏みつけた

羊の王「ポートマフィアの銃運びがこのくらいでビビるんじゃねえよ」

楽しげな声で少年は云った
深い暗緑色のライダースーツに、獅子のような赭色の髪をした少年だ

黒服「ゆ……許してくれ！お前たち……《羊》の縄張りを荒らしたことは謝る！仕方がなかったんだ！」

羊の王「ああ、仕方がなかったんだろうよ。ポートマフィアのクソ野郎共あろう者が、知らない筈がねえもんな。俺たち《羊》を攻撃したやつは、必ず百倍の報復を食らうってことくらい。……心配すんな、お前以外の襲撃犯は全員ぶっ殺した。安心して仲間のとこに行きな」

マフィアの男は床に転がった獣に手を伸ばそうとした
だが指一本を、ほんの少し床から持ち上げることすらできなかった

羊の王「いいね。流石はポートマフィアだ。俺の重力を喰らった状態で、反撃を考えるなんてな。
……いいだろう、やってみな。だがその前に一つ答えろ。何故俺たちの縄張りを襲った？」

黒服「襲いたかった、訳、では……ない！やむを得なかった……俺の担当の保管武器庫を、破壊されたから……あの厄災の神に。地獄から蘇った……黒い炎の《荒覇吐》に……！」

羊の王「《荒覇吐》だと？」

少年の笑顔が消え重力がほんの一瞬だけ弱まった
その隙にマフィアは転がって少年から逃れ、床に落ちていた銃を摑んで少年に向けた
銃を扱い慣れた者だけが可能な、流れるような動作だった

羊の王「いいぜ、撃て。どうなるか試してみな」

黒服「死ね……《羊の王》、中原中也！」

無表情の少年はポケットに手を入れたまま半回転し、銃弾を蹴った
そして跳ね返された弾丸は、マフィアの男の喉に突き刺さった
少年はふわりと半回転し。元の場所に戻って着地した
そして云った

中原中也「ポートマフィアは、俺が全員ぶっ殺す」

そして、その一部始終を機外の窓から少女が見ていたことには、誰も気づかなかった