トリップしたら幸せになったんだけど？

生きていく意味 ページ10

杏
｢やめて!!!!!!!｣

食べられる…!!

そう思って私は必死に叫んだ。
こんなことをしてもどうにかなるとは思わなかった。

命乞いってこういうことを言うのかな……


でも、いつまでたっても私は死なない。

もう1度目を開けてみた。

すると目の前の大きな口はどこにも無かった。
目の前に映るのは血の海とお父さんの頭だけ。
あの大きな口が何なのかは小さい私には分からなかった。






それから数年が経った。

私は孤児院には入らずに1人で生活していった。

年齢を偽って仕事をして、お金を稼いだ。
勿論そんなのじゃあ足りないから人を殺した。

そんな生活をしていったら裏社会では有名な“殺し屋”になっていた。

頼んだら確実に殺してくれる。
証拠は何もないどころか死体も絶対に見つからない。

そんなの当たり前だよ。
だって、死体は全て“あの子”の餌になってるから。


私のお父さんを殺した、あの異能力。

本当だったら私はあの場で死んでいた。
でも、私は死ぬ事を否定した。

何でかって？

そんなのは簡単なこと。

“復讐する為に生きているんだ”

お父さんを殺した異能力を破壊するために。
私からあの異能力を引き離すために。



でもね、復讐する事だけ頭にあっても疲れちゃうの。
息抜きが欲しいし、友達も欲しい。
恋だってしたいし、いろんな場所に行きたい。

そんな時に出会ったのは1人の少年。

その少年は私の2つ上の19歳。
だけど、外見はもっと幼かった。
身長も低くて童顔で、声も高かった。

でも、それは全部異能力のお陰だった。

彼の異能は年齢操作の異能力。
赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代に年齢を操作することが出来る。

私はそんな素晴らしい異能を持っている彼とコンビを組む事にした。

戻れない関係→←少女の過去

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す