34 あの日、あの瞬間までは ページ34
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けれど突如それを突きつけられた私は今までとの違いにただ戸惑い、果てしない独占欲に駆られ、想いは余計加速した。
それは行くあてもなく走り続ける汽車のように止まることを知らなかった。
そして私は今まで以上にテヒョンにべったりになった。
けれどテヒョンは何も変わらなかった。
どんなに綺麗で可愛い女の子が寄ってこようと、涙ながらに彼に縋ろうとも、いつどんなときも私を優先した。
テヒョンの一番は相変わらず私だった。
そんな私たちを見て周囲は言った。
「あの兄妹は異常だ」って。
テヒョンは「うん。おれAが一番大切だから」と堂々としていたけど、私はやっぱり周囲の目が気になり始めた。
私が異常だと思われるのは構わないけれど、テヒョンが周りからおかしな目で見られるのには耐えられなかった。
人の恋愛事に口を出したくなる年頃、周囲の関係に敏感になる年頃、噂が好きな年頃。
"私とテヒョンは兄妹で愛し合ってる"だとか"2人がキスしてるの見た"なんて根も葉もない噂が流れたり、実際私に聞きにくる女の子もいた。
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笑いが出た。
そんなことあり得るわけがないのに。
私とテヒョンが同じ想いでいるなんて、そんな奇跡が起こることなんて絶対にないのに。
きっとテヒョンの好きは、テヒョンの特別は、たった1人の妹に対する庇護欲のようなもの。
だって私は、私を見つめるテヒョンの瞳の中に私と同じものを見つけたことは一度たりもない。
テヒョンに触れたときに走る電流、熱、心臓の高鳴り。
彼への想いを自覚させるそれを避けるためになるべく触れないようにしようと心に決めて、けれどやっぱり触れたくて仕方なくて。そうやって葛藤を繰り返す私とは違って、テヒョンは何の遠慮もなしに私に触れた。
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違う。何もかもが。
私とテヒョンの想いは側から見れば垂直に交わっているように見えて、けれど実際は平行に存在するそれ。
きっとどこまでいっても交わることはない。
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テヒョンがソウルへと旅立つ前日、あの輝く星空の下で私たちは唇を重ねた。
けれどそれはテヒョンが私の気持ちに気付いていて、それを慰めるために、お別れの挨拶のような気持ちでしたものだと思っていた。
そう思っていた。
あの日、あの瞬間までは。
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ナノカ(プロフ) - ここあさん» ここあさんありがとうございます！ひゃ〜嬉しすぎてスクショしました！（笑）早くこちらの続き書けるように頑張りますね。いつもありがとうございます愛してます(*^^*) (2020年8月24日 21時) (
レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - こんばんは！もうすでに何回も読み返しました。ナノカさんの文章って読むだけでその背景が頭に映し出されてドラマを見ているみたいです。続きが気になってまた睡眠不足かな(´;ω;｀) (2020年8月9日 0時) (レス) id: 0e5cf05a43 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ナオコさん» さすがナオコさん！私のことよくお分かりで…！（笑）波乱おこしまくります！繊細で儚げ…嬉しくてにやけました！ナオコさん今日も大好き！！ (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - メグさん» メグさんありがとうございます（ ; ; ）そんなそんな…と思いつつもにやけてます（笑）ゆっくり更新頑張っていきますね！お心遣いありがとうございました！ (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ココアさん» まだまだお話長くなりそうなので是非最後まで覗いてやってください！ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノカ
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作成日時：2020年4月30日 17時
