25 おかえりのチュー ページ25
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ご飯もお風呂も却下されてしまったら、もう私に残された逃げ道はなんにもなくて。
テヒョンの瞳の熱に、自分の顔にもじんわりと熱が集中していくのを感じる。
ていうかさっきのよく新婚さんがやる「ご飯にする?お風呂にする?それとも…」みたいじゃなかった?
それを意図したつもりは全くなかったが、突然そんなことを思って余計に顔に熱が集中していく。
TH「なんで顔赤いの?」
「は?!別に赤くないけど!」
TH「いや、赤いんだけど」
「気のせいだって!」
テヒョンにそれを指摘されたことが恥ずかしくて、彼の腕からすり抜けてリビングに戻ろうと背を向けた瞬間。
「…わ!」
腕をぐっと掴まれて景色が一転した。
それに抵抗はせずに、されるがまま大人しくテヒョンに向き合う。
ここでまた抵抗でもしようものなら、後である意味こっぴどい目に合うのは分かってるから。
緩く片方の口角を上げて、余裕たっぷりな顔で私を見下ろすテヒョン。
TH「照れてるの?」
「は?」
TH「久しぶりに会ったから」
「……別に、違うよ」
TH「ふーん」
テヒョンは口角をさらにあげて、にやにやと嬉しそうに笑う。
きっと「違う」なんて言いながらも更に顔を赤くした私を見て、それは口だけだって分かったからだろう。
「……あの、とりあえず部屋戻ろうよ」
このままじゃまたテヒョンのペースに飲み込まれてしまうから、それを避けるためにそう提案する。
TH「うん。戻るよ」
そう言ってくれたテヒョンに安心したのも束の間。
TH「でも、なんか忘れてない?」
「え?」
TH「ほら」
テヒョンは首を少し傾げながら、自分の唇をポンポンと人差し指で叩いてみせた。
それの意味を理解してまた熱が集中していく。
「…や、あの、後でする」
TH「だめ。今」
「でも」
TH「いつもしてるのに何で今日そんな照れてるの?」
さっきの余裕たっぷりに私をからかってた時とは違って、若干ほんとに不思議そうにそう尋ねたテヒョン。
いやいや、鈍感か!普通分かるでしょ!
こっちだって早く会いたくてたまらなくて、1週間ぶりに顔が見れてそれだけでもドキドキしてるのに。
それなのにああやって突然抱きしめるし、あんな瞳で私を見つめるしでもう心臓が全く追いついていなかった。
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ナノカ(プロフ) - ここあさん» ここあさんありがとうございます!ひゃ〜嬉しすぎてスクショしました!(笑)早くこちらの続き書けるように頑張りますね。いつもありがとうございます愛してます(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - こんばんは!もうすでに何回も読み返しました。ナノカさんの文章って読むだけでその背景が頭に映し出されてドラマを見ているみたいです。続きが気になってまた睡眠不足かな(´;ω;`) (2020年8月9日 0時) (レス) id: 0e5cf05a43 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ナオコさん» さすがナオコさん!私のことよくお分かりで…!(笑)波乱おこしまくります!繊細で儚げ…嬉しくてにやけました!ナオコさん今日も大好き!! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - メグさん» メグさんありがとうございます( ; ; )そんなそんな…と思いつつもにやけてます(笑)ゆっくり更新頑張っていきますね!お心遣いありがとうございました! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ココアさん» まだまだお話長くなりそうなので是非最後まで覗いてやってください!ありがとうございます(*^^*)頑張ります! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月30日 17時