16 広いこの家は ページ16
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JK「…Aさん!
俺も一緒にお家に上がってもいいですよね?」
きっとテヒョンに言ってもらちがあかないと思ったんだろう。
その矛先を私へと変えた彼はうるうる潤んだ瞳で私にすがる。
そしてその後ろでは、げって顔をしたテヒョン。
その顔からは"断れ"っていう言葉が聞こえてくる。
「…えーっと……」
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JK「うわあ…」
私の部屋を見渡してそんな感嘆を漏らしたジョングクさん。
JK「広すぎでしょ!一人暮らしですよね?」
結局ジョングクさんの潤んだ瞳を無下にできなかった私。
「…大したお茶は出せませんけど」
なんて言った私にテヒョンは大きくため息をついた。
…だって断れないでしよ!こんなの!
元はといえば連れてきたテヒョンのせいだからね!
心の中で悪態をついた。
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TH「お茶飲んだら帰れよ、タクシー呼んでやるから」
JK「分かりましたよ。ヒョンしつこい」
TH「は?」
ジョングクさんの首に腕を回してぎゅーっとプロレス技みたいなのをかけるテヒョンとそれに対抗しようとする彼。
キャッキャッとじゃれあう2人。
なるほど。画面越しには見たことあるけどプライベートでもほんとに仲いいんだ。
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この広すぎる部屋をもう一度見渡す。
確かに広すぎるよね…
ジョングクさんの言葉を思い返す。
ソウルのことなんてよく分からない私はテヒョンに部屋を探してもらうように頼んだ。
けれどテヒョンが提示してきたこの部屋はとても私の給料では払いきれるものではなかった。まさに0が一個多いそれ。
もっと安い部屋にって言ったけれど、「宿舎から近くてセキュリティがしっかりしたところ以外には住ませられない。家賃はおれが払うから」とテヒョンが折れてくれなかった。
過保護すぎない?
そう思ったけれど、私からしてもテヒョンにすぐ会える彼らの宿舎の近くに住めることはありがたかった。
彼らの宿舎の近くなんてどこも家賃が高くて、私の給料じゃとても住めないし。
私が恐る恐る「いいの?」と聞くと、「おれがそうしたいの」と優しく笑ってくれたから、その言葉に甘えさせてもらった。
「あ、鍵はおれももらうから」なんて言ったテヒョン。
もちろんそうするつもりだったけど、きっとこれは普通の兄弟ならありえないのかもしれない。
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ナノカ(プロフ) - ここあさん» ここあさんありがとうございます!ひゃ〜嬉しすぎてスクショしました!(笑)早くこちらの続き書けるように頑張りますね。いつもありがとうございます愛してます(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - こんばんは!もうすでに何回も読み返しました。ナノカさんの文章って読むだけでその背景が頭に映し出されてドラマを見ているみたいです。続きが気になってまた睡眠不足かな(´;ω;`) (2020年8月9日 0時) (レス) id: 0e5cf05a43 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ナオコさん» さすがナオコさん!私のことよくお分かりで…!(笑)波乱おこしまくります!繊細で儚げ…嬉しくてにやけました!ナオコさん今日も大好き!! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - メグさん» メグさんありがとうございます( ; ; )そんなそんな…と思いつつもにやけてます(笑)ゆっくり更新頑張っていきますね!お心遣いありがとうございました! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ココアさん» まだまだお話長くなりそうなので是非最後まで覗いてやってください!ありがとうございます(*^^*)頑張ります! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月30日 17時