13 その視線は ページ13
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TH「こいつがどうしても着いてきたいってうるさくて。ごめんね急に」
前に座るジョングクさんを気怠げに指差すテヒョン。
するとバックミラーから目線を外したジョングクさんが後ろを振り返って、その大きな瞳が私を捉えた。
JK「ヒョンが頑なに会わせてくれない妹さんがどんな子なのか気になって」
「…すみません。大したことないんです」
一瞬ドキリとした。
彼は可愛らしく口角を上げて笑っていたけれど、その大きな瞳がほんの一瞬私を見透かしているように見えたから。
JK「何言ってるんですか。さすがキム家の遺伝子。
よく芸能界にもスカウトされるんじゃないです?」
「いや、それは多分テヒョンの妹だからってだけで」
JK「えー。絶対それは関係ないでしょ。ね、ヒョン」
視線を私から外してテヒョンへと向けるジョングクさん。
それに正直安心した。
TH「……うん。Aは綺麗だからね」
ほら!とでも言わんばかりに私の方に視線を戻すジョングクさん。
TH「そんなことよりジョングク、ここに来る前にお前が言ったこと思い出して。
お前は運転係だろ?早く運転して」
なぜか少し機嫌を損ねたテヒョンの姿。
JK「…はいはい。そしたら行きますか」
そんなテヒョンに特に驚くこともなく、あっさりと身体を元の位置に戻してハンドルを握ったジョングクさん。
テヒョンどうしたんだろ…
私だけがこの状況をよく分かっていなかった。
TH「A、これ」
車が走り出すと、テヒョンは私にミルクティーとチョコレートをくれた。
「あ、いつもありがとう」
それは私が一番好きなもの。
TH「飛行機疲れたろ?」
「ちょっとだけね。全然大丈夫だよ」
TH「家まで1時間ぐらいかかるし、眠くなったら寝てていいからね」
私側の自分の肩をポンポンと叩くテヒョン。
そこは私の特等席。
「…お言葉に甘えようかな。」
昨日ワクワクしすぎて眠れていなかったこともあったけど、久しぶりにその特等席を体感したくて。
ゆっくりと彼の肩に頭を預けた。
TH「ふふ、おやすみ」
テヒョンは優しく微笑んで、私の髪を一度するりと撫でた。
心地良くて思わず目を細める。
ふとバックミラーを見ると、またバックミラー越しにジョングクさんと目が合ってドキリとした。
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ナノカ(プロフ) - ここあさん» ここあさんありがとうございます!ひゃ〜嬉しすぎてスクショしました!(笑)早くこちらの続き書けるように頑張りますね。いつもありがとうございます愛してます(*^^*) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - こんばんは!もうすでに何回も読み返しました。ナノカさんの文章って読むだけでその背景が頭に映し出されてドラマを見ているみたいです。続きが気になってまた睡眠不足かな(´;ω;`) (2020年8月9日 0時) (レス) id: 0e5cf05a43 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ナオコさん» さすがナオコさん!私のことよくお分かりで…!(笑)波乱おこしまくります!繊細で儚げ…嬉しくてにやけました!ナオコさん今日も大好き!! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - メグさん» メグさんありがとうございます( ; ; )そんなそんな…と思いつつもにやけてます(笑)ゆっくり更新頑張っていきますね!お心遣いありがとうございました! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - ココアさん» まだまだお話長くなりそうなので是非最後まで覗いてやってください!ありがとうございます(*^^*)頑張ります! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月30日 17時