妖の待つ宵【SVT】 (ページ9)

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お世話係スングァンさんの正体ページ9

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「それで…あなたは」

SG「あぁ、僕はスングァンだよ。」

「あ…スングァン、さん。えっと私はAです。」

向こうから名乗り出たからにはこちらの名前も明かすしかない。

そうして名乗るとスングァンさんはにこりと微笑んだ。

SG「Aちゃんね。それで、なあに？」

「その…スングァンさんとこの間の方は一体…」

まだ顔を合わせてから数分の人に、しかも自分を誘拐したかもしれない人にこんな質問をするなんて恐れ知らず過ぎだったかもしれない。

けれどスングァンさんの緊張をなごますような笑顔につい聞いてしまった。

そうするとスングァンさんは「僕とジスヒョンが？」と聞き返してくるから、人質の分際で！なんて事が起こらなかった安心と共にこくりと頷いた。

SG「それは僕から話す事じゃないんだ。ごめんね。だけど簡単に教えるくらいならいいかな…下手に変なこと言ってヒョン達にお説教食らうのも嫌だけど……まあいっか。僕らは…うーん、なんて言えばいいんだろ。簡単にいうとこの組織を纏めてる役って感じ？」

「SVTグループを？」

SG「その先はもう少し後でね。まずはAちゃんの回復からだよ。」

どうやら悩み事を口に出して考えるタイプらしい。

悩ましそうに唸った後、彼の口から出てきた言葉に頭をレンガで殴られたような感覚を覚えた。

あのSVTを纏めている？そんなバカな。

こんなにも若そうなのにそんな重役を任されるなんてあり得るのか？いや、もしかしたらそれほど優秀なのかもしれないが。

もう少しだけ寝ないと！なんて私に布団を掛け直すスングァンさんをじっと見つめる。

一体彼はいくつくらいなんだろう。

自分の目が狂っていなければまだ20代前半なのに。

自分の中でどんどん疑問が膨れ上がる。

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