妖の待つ宵【SVT】 (ページ8)

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悪の犯罪者集団？ページ8

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「あ…」

SG「あ、そういえば気分は大丈夫？君、倒れる前に一応君くらいの子が見るにはトラウマになりそうな光景を見ちゃったみたいだけど…思い出して吐き気とかする？いや、あれくらいなら大丈夫なのかな…」

「だ、大丈夫です、一応…」

慌ただしく目の前で手を振ってみたり不安そうにサプリのようなものを出してみたりする彼にどんどん疑問が湧き上がる。

確かに倒れる前の光景は思い出すだけでもゾクりと身体中に何か冷たいものが走るものだ。

そしてあの廃墟内で最後に会った男…彼曰くジスヒョンとやらは、どうみても危ない組織に所属しているような人物だった。

だって、普通ならこの国で所持することを許されていないピストルを手にしていた上に、それを使って実際に人を殺したのだから。

なのに、口調からしてその男と大分親交がありそうな目の前の彼からは、あの鳥肌が立つような気配すらない。

最初はとんでもない悪の犯罪者集団なのかと脳裏をよぎったが、この待遇からもそんなことはなさそうだ。

「あの、ここはどこなんですか、」

SG「もう早速その質問ね！オッケー、ここはSVTグループのビルのうんと高いところだよ。普通の人じゃ入れないようなね。」

SVT？聞いたことがあるどころの名前ではない。

この国、いや、他の国に行っても知らない人はいない。

不動産から飲食そしてアパレルまで様々な系列の会社を抱える組織の名前だ。

そのビルといえば見当がつくのは一つしかなくて。

あの巨大な、地上から見上げても最上階までは見えないあの建物だ。

なぜそんなところに私が？

そしてなぜそんな普通の人では入れないようなところにいるのだろう？

そこではっといつか聞いた話が頭をよぎった。

そういえば、幅広い種類の業界に手を出している彼らの裏では表沙汰には出来ない危ないことをしているらしい。
…なんて噂を。

そう、あくまで噂での話に過ぎないけれど。

だが、３日前に見た光景を思い出せば、本当に誘拐されてとんでもないことに巻き込まれたのかもしれない。

なんて思考に至るのは簡単だった。

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