妖の待つ宵【SVT】 (ページ7)

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待遇の良い拉致、3日目ページ7

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｢ん…｣

心地良い。

寝返りを打とうとしても体が沈んでしまう様なふかふかのベッドに目を閉じていても感じる日の光も眩しい。

その違和感をだんだんと覚えるとぱちりと目が冴えた。

ここはどこだ。

起き上がる前に人の気配を感じて、目が覚めた体勢のまま固まる。

病院？それとも誘拐された？…いや、誘拐されたにしては待遇が良すぎる。

SG｢あ、目覚めた！」

ピクリとも動いてないはずなのに、天井いっぱいの視界にひょこりと男の人が現れて思わず叫んだ。

SG｢そんなに驚く？！｣

私の叫び声に逆に驚いたように言ったのは白衣を着た自分とはそう年の離れてなさそうな若めの男の人だった。

彼から目を離してあたりを見渡すと、大きな窓があった。
しかしベッドからだとただ青い空しか見えない。

「…あなたは、」

SG「僕？僕は見ての通りここで君みたいな病人を見る役だよ。」

白衣をひらひらさせてね？と首を傾げてにこりと笑って見せた彼は、その様子と雰囲気だけで自分に害を与えるような人間ではないを事がわかった。

とりあえず起きあがろうとするとくらっと視界が歪むから急いで手を頭に持っていく。

そして気づけば背中を彼に支えられたことに気づく。

「え？今…」

SG「急に動いちゃダメだよ、か弱い人間は。君は3日間寝てたんだからもっと安静にしなくちゃ。」

「３日？」

さっきまで彼のいた場所から自分の背を支えるにはどう見ても距離が足りないことは起きたばかりの頭でも分かる。

その不可解な出来事に気を取られて危うく自分が3日間も寝込んでいたことを聞き逃すところだった。

SG「そう。３日。ジスヒョンが帰ってくるだけでも珍しいのに、君を抱えてきたから大騒ぎだったよ。」

ジスヒョンとは誰の事だろうか、初めて聞く単語にぽかんとしていると、そんな様子を見て「あーそりゃ分かんないよね、僕としたことが」なんて彼は自分の頬を軽く叩く。

SG「ジスヒョンは君が倒れる前に会った人だよ」

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