その木の正体とは ページ3
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これまでイジフン含め何度も何度もこの木との縁を切ってやろうとあらゆる手を使ったが微動だにせず、何処に逃げてもその聖なる木はイジフン一味のすぐ側に必ず居た。
この木の正体は分からない。
神なのか、もしくはただの木なのか。しかしこれが彼らの時間を止めている事は確かで、その証拠にイジフンもミンギュも、またその仲間も皆1000年前から顔つきは老いた試しがない。
もうこれ程長い時間が過ぎればもはや命が尽きる事など怖くない。
今更やり残した事もないし、やらなくてはいけない事も…
……いや、ある。それをやり遂げない限り、彼らの時間は消して動き出さないのだ。
しかし、一体いつになったらそれを成し遂げることが出来るのか。
それは分からない。
そうしてこの1000年は分からないまま過ぎたし、きっとこの先また1000年過ぎる事だって全然有り得る話だ。
MG「あーあ…今日も頑張るか。ふぁ…」
そしてこれからも社長という悪魔、いや地獄を支配する大魔王と表現しても誰も否定しないだろう。
そんな自分よりも小さき大魔王に振り回されてこの長い時間を旅をするのだろうと思うと本気で魂を冥界に送りたくなるが……まあ退屈よりかはいいか。
ミンギュは呑気に大きなあくびをかますと、大木から放たれる暖かい心地にうとうとしてきて、スーツの胸ポケットで震えるスマホに気付かず、そのままその大樹に背中を預け目を閉じたのだった。
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nell(プロフ) - はじめまして。ここで書くのも迷いましたが繋がりがないので失礼します。もしかしてですがTwitterのアカウントは消されましたか? (11月28日 23時) (レス) id: 43210a6b75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太郎。 | 作成日時:2022年12月5日 21時