妖の待つ宵【SVT】 (ページ11)

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デキる‘風’？男、キムミンギュページ11

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そうして次に目を覚ました時には既に太陽が沈み窓の外には月が浮かんでいた。

こんな高い場所から見える月なんて今後一生見れるかも分からない。

いつもより大きく見えるその月と一緒に遥か昔にはもう一つ紅色の月があったそうだ。

その頃にはまだ魔力とやらが存在していたらしいけれど、科学技術に囲まれている今では想像すらできない。

それにしても、閉じ込められている身だというのに随分といい待遇じゃないの。

広々としている部屋は自分が生活していた部屋よりも遥かに広い。

これがスイートルームってやつか…とマシュマロのように柔らかいマットレスを押してみると、丁度そのタイミングでドアがノックされた。

慌てて手を離してまるで何もしていなかったように体制を整えるとドアが開かれた。

「スングァンさん！…あ、…」

あの可愛らしい笑顔を想像して勝手に癒されかけていたのに、そこにいたのはスングァンさんよりもだいぶ身長の高い男の人だった。

きゅっと布団を握って様子を伺う。

もしかして襲われる？

いや、でもここには普通の人は入ってこれないって言ってたし…

と混乱する頭を精一杯整理していると、そんな私を全く気に留める様子なくずんずんとこちらに近づいてきた。

「ひっ、…」

MG「あいつはね、今仕事中なの。だから俺がお迎えに来たよ。」

スーツを着て髪の毛がしっかりセットされていていかにも”デキる”男ふうな第一印象だった。

何しろ、オーラが只者ではない。

その圧に押しつぶされそうな息苦しさを覚えたかと思えば、整った顔がぐいっと私の方に近づいてくると、クールにキメていた表情をくしゃっと崩してまるで子犬を連想させるような笑顔を作った。

MG「Aちゃんだよね？よろしく。ミンギュだよ。」

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