25話 策略 ページ28
もるでおside
あれから少し経って部屋には俺と3821が残された。
あの後俺はじいやを呼んで無音を寝室に運ぶようお願いした。
ゆとりはちゃげの所に行ったみたいだ。
・・・騎士団長は大忙しだな。
38「もるでお君、さっき話してたの・・・」
『・・・俺にはさっぱりあいつの考えが分かんねぇんだ・・・
なんで無音の身体を借りてまでそれを伝えたのか・・・』
3821は少し考えて俺の方を向いた。
38「・・・魔力の解放・・・なのかな?」
魔力の解放・・・?
いまいち自分にはピンとこなかった。
38「多分だけれどあいつの狙いはもる君の体質だと思うんだ。
今の魔王・・・つまり君の父親は威圧スキルを持ってたよね。
その体質って彼・・・いわゆる魔族の部類にもよるけれど。魔法が君のお父さんの結界内では魔法が使えなくなる。」
威圧スキルとは。
俺や父、魔王候補に与えられた特殊能力である。
もちろんその能力に目覚めるのは個人差があり、まだ俺は覚醒しておらず威圧スキルを習得していないでいた。
・・・それをあいつは、ジークリンデ卿は知っていた・・・?
『・・・つまり威圧スキルをまだ習得していない俺の体質を狙って、魔界全体の魔法の使用を自由にするってことか。』
38「・・・そういうこと。
自由にしちゃったら反逆し放題だからさすがに無理があるよ。
・・・もるでお君はどうするつもりなの?」
俺はまだ迷っていた。
これを承諾して戦争が起きたら。
これを断って関係の無いものを巻き込んだら。
デメリットばかりが浮かんで不安が募っていく。
『・・・これを断ってこの国や、魔界や、他の民達が犠牲になっていく。
それだけは絶対に防ぎたいんだ。
無音も、ゆとりも、それからお前も。
全員を護りたい。
・・・3821、まだ少し考えさせてくれ。
ちゃんと結論は出すから。』
彼は俺の方を真剣な眼差しで見つめた。
そしてにこっと微笑んだ。
38「・・・もるでお君の事だからそう言うかなって思ってたよ。
まだ時間はある。君が満足する答えを言えばいいんだから。」
そう言うと俺達は無音が眠る寝室へ向かおうとしていた。
月夜まであと3時間。
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詩音(プロフ) - マヤさん» マヤさん最後まで作品を閲覧していただきありがとうございます。イマジネーションネーションは個人的にとても大好きな世界観なので機会があればまた書かせていただきたいなとも思っております。今後とも何卒宜しくお願い致します。 (2019年11月29日 12時) (レス) id: 20528b2217 (このIDを非表示/違反報告)
マヤ(プロフ) - 完結お疲れ様です!詩音さんの中にあるImagination Nationの世界がとても好きで読ませていただいてました!素晴らしい作品をありがとうございました! (2019年11月26日 23時) (レス) id: e63cba3785 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ツナ猫さん» ツナ猫さん返信が遅くなってしまってすみません、ありがとうございます。CDの中の話とはまた違った展開として楽しんでもらえてるようで何よりです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年8月4日 10時) (レス) id: 20528b2217 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ猫(プロフ) - この曲大好きなのでとても嬉しいです!CDを流しながら見るとより楽しいです(*^^*) (2019年4月22日 0時) (レス) id: 30cd74afcb (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - さきちんさん» さきちんさんありがとうございます。少しずつではありますがどうぞよろしくお願いします。 (2019年3月27日 19時) (レス) id: 20528b2217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詩音 | 作成日時:2018年2月12日 8時